[慶智の王子・伊集院涼介の物語]冷酷弁護士と契約結婚
「えっ、どういう事? それ涼介に言われたの?」
鈴音は泣きながら頷く。
「ちょ、ちょっと待って、本当に? アイツときちんと話し合った方がいいよ」
「涼介さんが帰ってくる前に出ていきます」
「待って、話さないとダメだよ。僕が思うに、鈴音ちゃんは涼介の事好きなんでしょう? そうでなければそんなに泣かないもんね」
彰人はさり気なくケータイをテーブルの下に持ってきて、メッセージを送る。
「ねぇ、どうして話さないまま出て行こうとしているのか教えて?」
「わ、私がいけないんです。契約結婚なのに、涼介さんの事好きになっちゃって。愛されてるって勘違いしちゃって。涼介さん本当は結婚なんてしたくなかったし。それに私のストーカー問題も解決したから。だから......
だからもう一緒にいる意味なんて、ないんだと思います」
「鈴音ちゃんはハッキリ涼介から契約終了の理由聞かされてないんだよね? だったらなおさら話し合わないと!」
「涼介さんと初めて会った日、とても傷つくこと言われたんです。でも契約結婚中は演技していたからとてもやさしくて。契約が終わってまた元の冷たい涼介さんに戻ると思うとつらいです」
「結論を早まっちゃダメだよ。僕には2人が本物の夫婦に見えるんだ。契約中は夫婦関係がいいって周囲に見せかけてたんでしょう?でもね、創立記念パーティーの時、涼介が鈴音ちゃんの事かばったでしょう? いくら演技でもあそこまではしないよアイツは。それにね、怪我して運ばれてきた日、涼介憔悴しきちゃってさ。『鈴音を失うのが怖かった』って言ってた。僕、アイツのあんな姿見たの初めてだった。もしかしたらアイツが本当に言いたいこと、きちんと鈴音ちゃんには伝わっていないんじゃないかな? あのさ、涼介の親友としてお願いする。黙ってアイツの前からいなくならないでね」
鈴音は泣きながら頷く。
「ちょ、ちょっと待って、本当に? アイツときちんと話し合った方がいいよ」
「涼介さんが帰ってくる前に出ていきます」
「待って、話さないとダメだよ。僕が思うに、鈴音ちゃんは涼介の事好きなんでしょう? そうでなければそんなに泣かないもんね」
彰人はさり気なくケータイをテーブルの下に持ってきて、メッセージを送る。
「ねぇ、どうして話さないまま出て行こうとしているのか教えて?」
「わ、私がいけないんです。契約結婚なのに、涼介さんの事好きになっちゃって。愛されてるって勘違いしちゃって。涼介さん本当は結婚なんてしたくなかったし。それに私のストーカー問題も解決したから。だから......
だからもう一緒にいる意味なんて、ないんだと思います」
「鈴音ちゃんはハッキリ涼介から契約終了の理由聞かされてないんだよね? だったらなおさら話し合わないと!」
「涼介さんと初めて会った日、とても傷つくこと言われたんです。でも契約結婚中は演技していたからとてもやさしくて。契約が終わってまた元の冷たい涼介さんに戻ると思うとつらいです」
「結論を早まっちゃダメだよ。僕には2人が本物の夫婦に見えるんだ。契約中は夫婦関係がいいって周囲に見せかけてたんでしょう?でもね、創立記念パーティーの時、涼介が鈴音ちゃんの事かばったでしょう? いくら演技でもあそこまではしないよアイツは。それにね、怪我して運ばれてきた日、涼介憔悴しきちゃってさ。『鈴音を失うのが怖かった』って言ってた。僕、アイツのあんな姿見たの初めてだった。もしかしたらアイツが本当に言いたいこと、きちんと鈴音ちゃんには伝わっていないんじゃないかな? あのさ、涼介の親友としてお願いする。黙ってアイツの前からいなくならないでね」