僕らの半年戦争~one chance more chance~

「も、も、しもし?!真木君!?」

思わぬフェイントからの攻撃で声が裏返ってしまった。

『あ~松本か!久しぶり~丁度良かったよ~!』

「な、何が!?」

『今どこにいるの?』

「家!」

『家?』

「そ、そう!」

『松本って引っ越したっけ?』

「ううん!変わらない!」

『大学のときと変わらない??』

「うん!」

『そっか~じゃあ、今から会える?』

「え!?」

『あ、予定あった?』

「ない!」

『そっか~じゃあ、1時間後に楠木カフェ集合ね』

「え!?え!?分かった!」

『よろしく~』


そういうと、一方的に電話は切られた。

大学時代と全く変わってない。

でもその変わりなさに安心している自分がいる。

自己中で一方的でマイペースで。
口調も変わってない。いつもあんな感じだった。
今日みたいによく急に約束を取り付け、私のスケジュールをめちゃくちゃにしていた。
今やもう慣れっこである。

でも、作品に対する目と勘、発想力は誰よりも飛び抜けていて才能すら感じさせていた。


真木宗一郎。演出。

私たちの代表。

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