騎士団長様、クビだけは勘弁してくださいっ!
「私はちゃんと地方騎士を3年勤め上げ入団試験を受けて正式に王城騎士団に入団しました。貴方達は王城騎士団をコネを使って入れるような生ぬるい組織だとお考えですか? ならそれは不敬に値しますよ」
「っ……」
それをこの王城内で、大きな声で言ってしまうのは馬鹿だとしか言いようがない。しかも隣国の使節団達が来訪している今、ここで。
隣国の者達にこの国の王城騎士達のレベルが低すぎると思われたらどうする。そんなもの、恥ずかしくてしょうがない。
「それに、私が王城騎士団に入団して3年です。たとえコネで入れたとしても、ここまで生き残っていられるとお思いですか?」
「チッ、女が偉そうに……!」
「歴代の女性騎士も侮辱する発言ですよ、それ。もし文句がおありでしたら私が所属する第三騎士団の騎士団長でいらっしゃるデガルド団長にどうぞお伝えください」
満面の笑みでそう強く言うと、舌打ちを残して去っていった。サボってないでさっさと仕事しろお前ら。
「本当にあいつらは懲りねぇのな。頭ん中お花畑か? それとも、女の子に構ってほしくてやってるんか」
「……先輩の方が酷い気がしますよ、それ」
「そうか? どうせあんな性格なんだ、女性なんて寄ってこないだろ。それに、家から縁談なんて来ると思うか?」
「さぁ?」
そこら辺は私には関係ないから自分達で何とかしてくれ。けれど、構ってほしいんなら私じゃないご令嬢にしてもらえると助かる。
でも、思った。
騎士団に入って、鍛錬や任務やらで汗水たらして3年間の日々をずっと過ごしてきた。先輩方を除いて、周りの私に対する評価はあまりよくなかったけれど、それでも辞めるなんて選択肢はなかった。
狩猟大会を思い出すと、あの近衛騎士団長に直接褒めていただいた事が思い浮かぶ。あの時間は、まるで夢のようだった。
そして、この前の潜入捜査。私が呼ばれた理由は女性の騎士団員だったからであっても、近衛騎士団に、その任務に私が必要だと判断してもらえたことが嬉しかった。その後の捜査報告ではちゃんと確保出来たという事と、お礼までいただけた。