騎士団長様、クビだけは勘弁してくださいっ!

 私は与えられた役割を果たしたけれど、失態もあった。あれには気になったけれど、それでも、近衛騎士団員達が助かったと言ってくださったという言葉をいただけて本当に嬉しかった。

 それと同時に、団長様の中では私はちゃんと騎士団員なんだって思うと、もっと嬉しかった。そして……

 今まではただの遊びなんだって思っていたけれど……


『……――好きだよ、テレシア』


 遊びだったら、あんな事を言うだろうか。

 騎士団員である私を、団長様はちゃんと見ていてくれて、それを踏まえてそう言ってくれたのだとしたら……


「あ、そろそろ交代の時間だな。来たら昼飯取るか」

「はいっ!」


 すごく、嬉しくて舞い上がってしまいそうになる。

 ただの第三騎士団団員と、近衛騎士団長。

 男爵家の娘と、侯爵家当主。

 こんなの、夢物語でしかない。

 でも、そんなものを求めてしまっても、いいのだろうか。

 ……団長様に、会いたい。

 きっと今国王陛下方の近くで護衛をしていることだろう。他の団員達の指揮も取り、大変だと思う。

 これが全て終わったら、また、私の元へ来てくれるだろうか。
< 93 / 124 >

この作品をシェア

pagetop