犬猿☆ラブコンフリクト -三島由紀の場合ー

最終話


卒業式から1年が経ち、私達も卒業式を迎えた。



「由紀、卒業おめでとう」



「要さん来てたんですね、ありがとうございます」



「まぁね、待ちに待った彼女の卒業式なんだもん。来るに決まってるじゃん」



メガネを押し上げながら、嬉しそうに笑う要さん。



私が卒業したら同棲しようと約束をして以来、要さんずっとソワソワしてたからな〜。



「でも、由紀の制服姿を見れるのもこれが最後か・・・じっくり見納めしとかないとね」



そう言って、私のことを優しく引き寄せて抱きしめてくる要さん。



「ちょ・・・なんで抱きしめるの!?」



付き合ってから1年経つのに、いまだにこういうことをされるとドキドキしてしまう。



好きな人にこんなことされたことないから、どうしても慣れない。



「由紀だって俺の卒業式の時に抱きしめてきたじゃん」



「そ、それは若気の至りだから・・・!」



「あれから1年しかたってないよ?」



言い訳をしようにも頭が働かずすぐに論破できることしか言えない。



ぐぬぬ・・・と言い返せない代わりに要さんの事を睨みつける。



「・・・なに?そんな目で見てきて。キスされたいの?」



「そ、そんなんじゃ──」



“そんなんじゃないです”



そう言おうとした時、口を口で塞がれて喋れなくなる。



ゆっくりと離れていく要さんに見つめられ、恥ずかしさのあまりフイッとそっぽを向く。



本当、いつになっても慣れない。


「アハ、可愛い」



「う、うるさい、変態!」



「そんな変態に抱きついてみんなの前で告白してきたの誰?」



「・・・私です」



ポスッと要さんの肩に頭を預ける。



私だけ振り回されてるな〜・・・。



「どうしたの?」



「なんか・・・要さんっていつも余裕そうにしてるから・・・私だけドキドキしてるみたいで悔しいです」



「ふふふ、そんなことないよ」



頭を預けたまま素直に答えると、私の手を自分の胸に当ててくる要さん。



手に伝わってくる心音は、私に負けないぐらいドキドキと高鳴っていた。



「・・・余裕あるように見せてるだけ。俺もドキドキしてるよ。好きな子に抱きつかれて緊張しない男なんていないよ」



「・・・そうですか」



愛おしさが爆発しそうになり、要さんの抱きしめる腕にキュッと力を込めた。



いつまでも・・・このままでいたい。



そんな思いを込めて。



「離れがたいけど・・・そろそろ行こっか」



「・・・はい」



ゆっくりと離れ、手を繋いで要さんが運転してきた車へと向かう。



このままの関係でいたいな。



そう強く思いながら、車の中へと入っていった。



END



< 29 / 29 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:2

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

半妖の九尾の狐は神巫女を独占中

総文字数/29,429

恋愛(その他)28ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
事故にあい、両親をなくして路頭に迷っていた時、私は九尾の狐である玖夜(きゅうや)と出会う。 「帰る場所がない?なら、私の所に来るといい」 行くあてのない私に、“神巫女(かみみこ)”という職をあてがい、帰る場所を与えてくれた玖夜。 そんな優しい彼の傍は心地よくてそれに甘えていた。 ・・・だけど、彼はなぜか私を好いていて私に執着しているようで・・・!? 「ダメだよ。私から離れては」 「人として、って思ってる?恋愛感情の方だから。異性として、君の事が好きなんだ」 困惑しながらも、その気持ちに心を溶かされていく。 私の運命は──あの時既に決まっていたのかもしれない。 ✼••┈┈┈••✼••┈••✼••┈••✼••┈┈┈••✼ 玖夜の神巫女として使える孤独少女 宇佐美 悠乃(うさみ ゆの) × 半妖の九尾の狐で悠乃に執着している青年 玖夜(きゅうや) ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ジャンル 恋愛 キーワード 同居、歳の差、半妖、和風
略奪☆エルダーボーイ

総文字数/116,692

恋愛(学園)91ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
とあることがきっかけで一目惚れした年下男子。 その男子に淡い恋心を抱きながら過ごしていた時、廊下でぶつかった先輩、黒瀬 聡(くろせ さとる)に、年下男子への恋心がバレてしまう。 「そいつにバラされたくないなら俺の言うこと聞いてね、加藤 伊吹ちゃん♪」 脅されて始まった関係。 だけど、彼の思わせぶりな態度や発言になぜか惹かれていってしまう。 「ねぇ、陸なんて好きでいるのやめて、俺の事好きになってよ」 好きな人、いるはずなのに・・・。 「っ・・・、そういう顔されると、止まれないんですけど?」 彼の沼に、溺れていく── 高身長なことを気にしている女子 加藤 伊吹(かとう いぶき) × 妖艶な笑みを浮かべて脅迫してくる年上男子 黒瀬 聡(くろせ さとる)
アイドル様は天然キラー

総文字数/65,583

恋愛(ラブコメ)49ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
アイドルオタクやアニメオタクなど、“オタク”と呼ばれる人間にとって当たり前のように存在する──推し。 存在しているだけで幸せな気分になれ、生きる糧になる・・・無条件で幸せになって欲しい存在。 そこにいるだけでいいと思ってた。 それなのに── 「ねぇ、ここに泊めてくれない?」 推しが目の前に現れただけじゃなく、私の家に泊まらせてとお願いされて──!? 「凛ならいいよ。ウワサされても」 「・・・だめ。欲しいなら、ちゃんと言って」 「じゃあ、アイドルのNAKIじゃなくてただの奈央樹として俺を見て。1人の男として」 彼と関わっていくたび、アイドルとファンという関係が崩れ去ってていく── 重度の限界オタクな女子高生 小豆沢 凛(あずさわ りん) 18歳 × 人気アイドル、バイオレットフィズのNAKI 西園寺 奈央樹(さいおんじ なおき) 17歳

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop