面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~
 おもむろにつぶやいた。熊崎社長に視線を送る。

「仕事柄、結婚したくて焦って見合いをしていたが……」

 八連敗だったよね。そりゃ、傷つくだろうなぁ……。

「結婚に対しては人一倍憧れがあるかもしれない。しかし、『八』は『末広がり』と言われているが……俺はもう『八方塞がり』だと今は思ってしまっている」

 いつも強気な熊崎社長の落ち込んでいる姿に胸が締め付けられた。

「結婚したいという気持ちよりも、どんな人と結婚したいかを考えたほうがいいのではないでしょうか? ……恋愛経験がないのに生意気なことを言ってしまいました」

 しばらくの間無言になった。

 私の言葉をかみしめているかのような表情をしている。

 そしてこちらを見て頷いた。

「そうすることにする」

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