面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~
 誰かにあーなんてしてもらったことない。しかも社長にしてもらうなんて。

 動揺しまくる私に彼は無表情でスプーンでリゾットを作って口元に運んできた。

 恥ずかしくてたまらないけれどお世話になると言ったのは私なのだ。

 口を開けてみた。リゾットが入るとすごく美味しくて顔が緩んでくる。

「どうだ?」

「美味しいです」

「それはよかった」

 次の分も掬ってくれる。

「社長の分が冷えてしまいますよ」

「俺はいい。池川のリゾットが冷えるから」

「左手で何とか食べることができそうなので大丈夫です。一緒に食べたほうが美味しいので一緒に食べましょう?」

 私が説得すると彼は納得したように頷いてくれた。

「人と食事をするのはいいものだな」

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