面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~
 こんな大企業の社長とただのパティシエなんて、不釣り合いだ。もし交際をして結婚することになったら私は社長夫人となる。そんな器自分にはない。

「季菜子も少しは俺に特別な感情を持ってくれていると嬉しいのだが……。暴走してしまったようだな。結婚は流石に飛躍しすぎだ。どうだ? 俺と付き合ってみないか?」

 プロポーズではなく、ワンクッション置いてくれたからちょっとホッとした。

「お気持ちは嬉しいです。……ありがとうございます。真剣に考えたいので、お時間いただけませんか?」

「わかった。焦りは禁物だな」

 熊崎社長は残念そうにうつむいた。

「これが恋愛感情だと気づいていたら、八人もとお見合いなんてしなかった。もったいない時間とエネルギーだった。すべてを季菜子に費やしていればよかったと思う」

 力なく笑った。

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