面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~
「退職しちゃうの?」

「……はい。せめてものお詫びだと思っています」

「そんなのお詫びじゃないよ。私は立派なパティシエに育ってくれることが願いなの。それで本当にいいの? 後悔しない?」

 彼女の本心を知りたい。すると真央ちゃんは大粒の涙をポロポロと流し始めた。

「姉の結婚式で使わせてもらった時に、ここのケーキを食べて感動したんです。だからパティシエになりたいと思って頑張っていたのに……。本当はここから去りたくない。池川さんのような人を喜ばせるケーキを作りたいです」

 その気持ちを聞いて安心した。

「じゃあ、退職は取り消してもらおう」

「そんなこと無理です……」

「私が掛け合ってみるから。その代わりしっかりと働いてくれると約束して」

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