面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~
 困惑しているようだったけど彼女は力強く頷いてくれた。

 まずは上司に話をし、人事課へ交渉に行く。

 前例がないということで困惑されてしまって、最終的には社長判断ということになった。

「真央ちゃん、社長のところに一緒に行くよ」

「……え、だって悪鬼……と言われている社長のところに……怖いです」

「私がついているから大丈夫」

 そう言って私たちは社長室へと向かった。秘書の許可を得て社長室に入る。なかなか入る機会がないので私も緊張していた。

 入室すると背もたれの高い社長椅子に熊崎社長が座っていた。そして鋭い視線を向けてくる。

「忙しいところお時間をいただきありがとうございます。田中真央さんの退職願を取り消していただけないでしょうか?」

 私の隣で真央ちゃんは深く頭を下げた。
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