面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~




 十二月になり、私の手の骨は予想よりも早くくっつき、ギプスが取れた。簡易的な固定になったのでかなり動きやすくなっている。そしてリハビリを開始するようになった。

 午前中は職場で働き、週に三回、午後から有給をもらうか中抜けしてリハビリに通うことになった。

 私と同じ年齢くらいの男性の作業療法士とリハビリを重ねていく。

 骨をくっつけるために固定していたので、硬くなっている手首を動かすのは痛みが伴った。

「痛ッ」

「あまり無理はしないでください。自宅でもゆっくりでいいので練習して焦らずにいきましょう」

「わかりました」



 今日は午後から有給にしたので、リハビリ後は熊崎社長の家に戻ってきて料理をしていた。

 ついつい早く治したいからと手首を頑張って動かそうとするが、急激にやっては逆効果だ。もう少し時間をかけていくしかない。

 怪我が治ってしまったら、ここにいるのはよくないだろう。

 簡易的な固定になったので不自由も減り、熊崎社長の家で過ごしている理由がなくなってしまった。

< 68 / 91 >

この作品をシェア

pagetop