面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~
 私に告白してくれてからも態度が変わることなく優しく接してくれている。

 しっかりと返事をしなければ……。でも私に社長夫人なんて務まるのだろうか。

 ふと視線を感じて振り返ると、そこには見知らぬ年配女性が立っていたのだ。

「……どッ、どちら様でしょうか?」

 驚きすぎて腰が抜けそうになった。

 誰?

 え? 幽霊? 人間?

「あなたこそ、名乗りなさい」

「……か、勝手に入ってきて警察を呼びますよ!」

 焦る私と対照的に彼女は堂々としている。

「私は明人の母親です」

「お母様ですか!」

 なぜお母様が急にいらっしゃるの?? 混乱してしまう。

「申し遅れました。熊崎社長の会社でお世話になっておりますパティシエの池川と申します」

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