ごめんなさい。貴方が好きです。
秘め事
この恋は、間違っている。誰からも応援されることはない。
世間は許してくれない。

「席つけー」
担任が教室に入ってきた。
この先生こそ、私の恋人である。

「奏ちゃーん、おはよ~!」
「今日もかっこいい~」
奏さん男女問わず人気で、皆からは「奏ちゃん」というあだ名で呼ばれている。

「今日も人気だな」
ボソッと呟いたのは幼なじみの翔である。
「そうだね」
「なぁ、お前もあいつのこと好きなの?」
「う~ん、どうだろう」
「そ。ならいいけど」
それで、翔との会話は終了した。
ならいいけどってどういうことなのかな? もしかして、気づかれてる?

授業の準備をしていると、スマホが振るえたので確認すると奏さんからの連絡だった。

「今日の放課後いつもの所に来れる?」
「大丈夫です」
今日会えるということを考えるだけで、不安な思いがすべて溶けるようになくなる。
「今日も頑張ろう」独り言を呟いていると、授業の始まりを知らせるチャイムが遠くで、鳴っていた。
< 1 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop