ごめんなさい。貴方が好きです。
午前の授業が終わり昼休みにお弁当を食べているときに翔が声をかけてきた。
「今日の放課後暇?」
私は人に話しかけることが苦手なので、よく1人で食べていた。
翔は私の性格を知っているので、声をかけてくれる。
「うーん。学校終わってから1時間くらい予定ある。なんか用事?」
「紗の家にご飯食べに行こうかなって」
「部活終わってから来るでしょ?お母さんに言っとく」
「りょーかい。ありがとう」 「あ、あと今日はババ抜きな」
私達はどっちかの家でご飯を食べた後、色々なゲームをする。それで勝敗をつけて、相手にお願いをできるというルールがある。
「うん。わかった」

「おーい翔!」
話しが終わったところで、翔が友達に呼ばれたので、その場を離れていった。

自販機で飲み物を買うために順番を待っていると、後ろの人達の会話が聞こえた。
「てかさ、奏ちゃんって彼女いるのかな」
「わかんない。でも、告白した人には彼女がいるって理由で断ってるらしいよ」
「なんかさ、愛先生と付き合ってるんじゃないかって噂あるよね」
「あ、それ聞いたことある。愛先生とか絶対敵わないじゃん」
愛先生…。この学校の保健室の先生で、すごく可愛いと評判だ。 愛先生に会うために保健室に行く男子もいるというのを聞いたことがある。
私はその話を聞きながら、なんとなくモヤッとしたものが心の中に広がった。
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