奈落の悪役メイドは孤高の御曹司に求愛される
落ち着いていた胸の鼓動が、再びトクトクと速くなってきた。

変に意識しているのがバレないよう、ズラリと並べられた英語タイトルの本を見て気を紛らわすも、会話は止まらず。

今度は入江くんからの質問が飛んでくる。



「乃蒼ちゃんは、犬と猫どっちが好き?」

「猫ちゃん。ワンちゃんも好きだけど、グッズは猫ちゃんのほうが多いかも」

「グッズ持ってるんだ。どんなの?」

「ぬいぐるみでしょ、ストラップでしょ、ポーチでしょ……」



猫柄のグッズを脳内いっぱいに思い浮かべ、指折り数えていく。



「下敷き、ハンカチ、Tシャツ、枕カバー、毛布……あっ、靴下もあった!」

「すごいね。部屋中猫まみれだ」

「えへへ。入江くんは犬派? 猫派?」

「俺は犬かなぁ。ルビーいるし。乃蒼ちゃんは何の種類が好きなの?」

「猫ならなんでも好きだけど、強いて言うなら三毛猫とサビ猫かな」

「サビ猫って、確か公園にいた子だっけ?」

「そう! ミケちゃんもサビちゃんも、とにかく模様が特徴的でね! サビちゃんのほうはちょっと独特だから万人受けするタイプではないんだけど、縁起がいい猫って言われてて〜……」
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