聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました
ヴァレリアが神聖魔法を使うところは見たくなかった。
そうしてアーロンは、必要なとき以外は徹底的にヴァレリアを避けた。
(ただの嫉妬だったんだな)
その後、余命いくばくもなかったはずの国王は、神聖魔法のお陰で、軽く5年は寿命を伸ばした。
それは即ち、5年分余計に国が荒廃したことを意味した。
ヴァレリアのせいではない。
ヴァレリアに拒否権などなかったし、彼女は聖女としての役目を果たしたに過ぎない。
にも拘らず、ヴァレリアが父親の片棒を担いでいるかのような気がしてならなかった。
父親が亡くなったあとも、ヴァレリアに対する態度を変えることはできなかった。
新国王となった長兄のために、王都から遠く離れた地方から地方へと、不正を正して回った。
ブランカ宮殿には、年に10日も戻ればいいほうだった。