聖女になれなかったので魔法大国へ留学することにしたら、まさかの再会が待っていました

「複合魔法の呪文が書けないのに、実技ができるというのはどういう……?」

 言いながら、その無茶苦茶さに頭の中が混乱する。

「私の場合は複合魔法を使いたいときには、自然魔力を体内に取り込んだら、まず体内でそれぞれ単魔法に変換し、それからそれらを編むようなイメージで複合魔法にして、」
「す、ストップ!」

(なんて出鱈目なんだ……)

「確認させてほしいのだが、君は単魔法も呪文が要らないのか?」
「はい。ですが単魔法の呪文は、気合いでなんとか暗記できると思います。問題は複合魔法で……」

(呪文が不要なのは、最初の自然魔力にアクセスするときだけでなく、最後魔法を放出するまでだったのか!)

 ルーカスが驚けば驚くほど、マルティーナは目に見えて落ち込んでいく。

(自信をつけさせてやりたかったのに、さらに喪失させてどうするんだ!)
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