オレンジの空は今も
「バーカ」


ちょっとムッとしながらも、からかう感じの宏人の声。


「ばっ・・・」

「勝手に勘違いしやがって」


ふぅ…という息づかいが耳に届く。

すぐ隣りにいるみたいだ。


「だって! そのっ・・・」

「浮気なんてしねーよ」


トントントントン・・・と階段を上がる音と一緒に宏人の声がする。



『ピンポーン・・・』



玄関のチャイムが鳴った。


え・・・?

慌てて玄関へ走り、扉を開くと、むぅっという夏の夜の匂いが入り込んだ。





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