大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【アスタ・ルエゴ〜さよなら月の猫】
時は、8月27日の正午前であった。
ところ変わって、尾鷲市宮《なんきみや》ノ上町《うえまち》のてつろうの実家の近辺にて…
この日は、地区で暮らしている若いカップルさんの挙式披露宴がひらかれる予定であった。
挙式披露宴の主役は、ゆりこと地区で暮らしている漁師の男性であった。
ゆりこは、このみたち家族にタンカ切って家出したあと松山へ逃げた。
松山に来てから3日目にゆりこのもとにこのみの知人の女性がやって来た。
このみの知人の女性は、ゆりこに対して尾鷲市《おわせ》で暮らしている友人の男性と結婚する予定だった女性《おあいて》さん(40歳くらい)がくも膜下出血を起こして倒れたあと死亡したことを伝えたあと『(漁師)くんの花嫁さんになってほしい…』とたのんだ。
たのまれたゆりこは、このみの友人のたのみをイヤイヤ引き受ける形で結婚することになった。
……………
話は戻って…
文金高島田姿《はなよめすがた》のゆりこと黒の紋付きはかま姿の新郎さんは、黒のニッサンセドリックのタクシーに乗っていた。
タクシーは、神前結婚式が行われる予定の尾鷲神社へ向かった。
タクシーの周りで、地元の青年会の人たちによる昔ながらの花嫁行列が行われていた。
この時であった。
婚礼行列のさなかに深刻な事件が発生した。
行列の前にグレーのホンダアコードが停まった。
車の中から、刃物を持った女が叫び声をあげながら行列に向かって来た。
「ふざけるな(新郎)!!ぶっ殺してやる!!」
刃物を持った女は、婚礼行列を務めていた青年たちを次々と斬《き》りつけた。
その後、刃物を持った女が後部座席のドアを開けた。
「やめろ!!」
「ぶっ殺してやる!!」
「わああああああ!!」
文金高島田姿《はなよめすがた》のゆりこは、大急ぎでドアを開けたあと車から逃げ出した。
車から逃げ出したゆりこは、必死になって逃げ回った。
(ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン…)
この時、ニッサンスカイラインの三重県警のパトカー30台がサイレンを鳴らしながら現場へ向かっていた。
事件発生から60分後に刃物を持った女が逮捕された。
逮捕された女は、くも膜下出血で死亡したもとの花嫁の女性の妹(17歳・無職)だった。
婚礼行列を務めていた青年たち・少なくとも8人が負傷した。
新郎さんは、出血多量で死亡した。
ゆりこは、事件発生から3時間後に近くの森林で保護された。
その日の夕方5時頃であった。
またところ変わって、てつろうの実家にて…
実家の大広間でゆりことこのみと保昭《やすあき》富士夫《ふじお》の母子が話し合いをしていた。
ダイニングキッチンのテーブルにいる半兵衛《はんへえ》たち家族は、話し合いの様子を静かに見守っていた。
このみは、ゆりこに対して『急なたのみを入れてごめんね~』とあやまったあと『おうちに帰ろうね〜』とやさしく言うた。
しかし、ゆりこは家に帰ることを強く拒否した。
このみは、困った声でゆりこに言うた。
「ゆりこさん、ねえゆりこさん〜…」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「なにがイヤなのよ?」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「ゆりこさん、私たちはゆりこさんを守るためにおうちに帰ろうと言うているのよ…だいぶつらい思いをしたから、ゆっくりとしてもいいよと言うてるのよ…主人はいつでも帰っておいでと言うてるのよ〜」
このみが言うた言葉に対して、ゆりこはかたくなに拒否した。
このみは、保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》に対してやさしい声で言うた。
「保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、ゆりこさんと一緒に暮らしたいよね。」
「うん。」
「ゆりこさんにやさしく声をあげてね。」
保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、やさしい声でゆりこに言うた。
「おうちに帰ろう。」
「おうちに帰ろう。」
「一人じゃないよ。」
「一人じゃないよ。」
ゆりこは、ものすごく怒った声で言うた。
「イヤ!!拒否する!!」
「ゆりこさん〜」
「ゆりこ!!水商売《オミズ》の世界に戻る!!」
「ゆりこさん!!」
「もう出ていくわよ!!ゆりこ!!おうちなんかいらない!!」
ゆりこは、保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》の頭を小突いたあと大型のスーツケースを持って家出した。
ゆりこにこづかれた保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》はビービービービーと泣き叫んだ。
このみは、グスングスンと泣き出した。
半兵衛《はんへえ》たち家族は、がっくりと肩を落とした。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は、夜8時半頃であった。
ゆりこは、名古屋行きの特急南紀に乗って再び旅に出た。
ぼんやりとした表情をうかべているゆりこは、窓に映る夜の風景を見つめながらつぶやいた。
けんちゃん…
けんちゃんに会いたい…
けんちゃんに会いたい…
………
けんちゃん…
けんちゃん…
………………
ところ変わって、尾鷲市宮《なんきみや》ノ上町《うえまち》のてつろうの実家の近辺にて…
この日は、地区で暮らしている若いカップルさんの挙式披露宴がひらかれる予定であった。
挙式披露宴の主役は、ゆりこと地区で暮らしている漁師の男性であった。
ゆりこは、このみたち家族にタンカ切って家出したあと松山へ逃げた。
松山に来てから3日目にゆりこのもとにこのみの知人の女性がやって来た。
このみの知人の女性は、ゆりこに対して尾鷲市《おわせ》で暮らしている友人の男性と結婚する予定だった女性《おあいて》さん(40歳くらい)がくも膜下出血を起こして倒れたあと死亡したことを伝えたあと『(漁師)くんの花嫁さんになってほしい…』とたのんだ。
たのまれたゆりこは、このみの友人のたのみをイヤイヤ引き受ける形で結婚することになった。
……………
話は戻って…
文金高島田姿《はなよめすがた》のゆりこと黒の紋付きはかま姿の新郎さんは、黒のニッサンセドリックのタクシーに乗っていた。
タクシーは、神前結婚式が行われる予定の尾鷲神社へ向かった。
タクシーの周りで、地元の青年会の人たちによる昔ながらの花嫁行列が行われていた。
この時であった。
婚礼行列のさなかに深刻な事件が発生した。
行列の前にグレーのホンダアコードが停まった。
車の中から、刃物を持った女が叫び声をあげながら行列に向かって来た。
「ふざけるな(新郎)!!ぶっ殺してやる!!」
刃物を持った女は、婚礼行列を務めていた青年たちを次々と斬《き》りつけた。
その後、刃物を持った女が後部座席のドアを開けた。
「やめろ!!」
「ぶっ殺してやる!!」
「わああああああ!!」
文金高島田姿《はなよめすがた》のゆりこは、大急ぎでドアを開けたあと車から逃げ出した。
車から逃げ出したゆりこは、必死になって逃げ回った。
(ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン…)
この時、ニッサンスカイラインの三重県警のパトカー30台がサイレンを鳴らしながら現場へ向かっていた。
事件発生から60分後に刃物を持った女が逮捕された。
逮捕された女は、くも膜下出血で死亡したもとの花嫁の女性の妹(17歳・無職)だった。
婚礼行列を務めていた青年たち・少なくとも8人が負傷した。
新郎さんは、出血多量で死亡した。
ゆりこは、事件発生から3時間後に近くの森林で保護された。
その日の夕方5時頃であった。
またところ変わって、てつろうの実家にて…
実家の大広間でゆりことこのみと保昭《やすあき》富士夫《ふじお》の母子が話し合いをしていた。
ダイニングキッチンのテーブルにいる半兵衛《はんへえ》たち家族は、話し合いの様子を静かに見守っていた。
このみは、ゆりこに対して『急なたのみを入れてごめんね~』とあやまったあと『おうちに帰ろうね〜』とやさしく言うた。
しかし、ゆりこは家に帰ることを強く拒否した。
このみは、困った声でゆりこに言うた。
「ゆりこさん、ねえゆりこさん〜…」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「なにがイヤなのよ?」
「イヤと言うたらイヤ!!」
「ゆりこさん、私たちはゆりこさんを守るためにおうちに帰ろうと言うているのよ…だいぶつらい思いをしたから、ゆっくりとしてもいいよと言うてるのよ…主人はいつでも帰っておいでと言うてるのよ〜」
このみが言うた言葉に対して、ゆりこはかたくなに拒否した。
このみは、保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》に対してやさしい声で言うた。
「保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、ゆりこさんと一緒に暮らしたいよね。」
「うん。」
「ゆりこさんにやさしく声をあげてね。」
保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》は、やさしい声でゆりこに言うた。
「おうちに帰ろう。」
「おうちに帰ろう。」
「一人じゃないよ。」
「一人じゃないよ。」
ゆりこは、ものすごく怒った声で言うた。
「イヤ!!拒否する!!」
「ゆりこさん〜」
「ゆりこ!!水商売《オミズ》の世界に戻る!!」
「ゆりこさん!!」
「もう出ていくわよ!!ゆりこ!!おうちなんかいらない!!」
ゆりこは、保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》の頭を小突いたあと大型のスーツケースを持って家出した。
ゆりこにこづかれた保昭《やすあき》と富士夫《ふじお》はビービービービーと泣き叫んだ。
このみは、グスングスンと泣き出した。
半兵衛《はんへえ》たち家族は、がっくりと肩を落とした。
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)
時は、夜8時半頃であった。
ゆりこは、名古屋行きの特急南紀に乗って再び旅に出た。
ぼんやりとした表情をうかべているゆりこは、窓に映る夜の風景を見つめながらつぶやいた。
けんちゃん…
けんちゃんに会いたい…
けんちゃんに会いたい…
………
けんちゃん…
けんちゃん…
………………