大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【NEVER(ネヴァー)】
(ゴーッ…)
時は、アメリカ中部時間6月4日深夜2時半頃であった。
この時間、専用機はカンザス州の上空を飛行していた。
座席に座っている私は、CDウォークマンで歌を聴きながら眠っていた。
イヤホンからオーストラリア出身のロックバンド・ムービングピクチャーズの全曲集に収録されている歌が流れていた。
曲は、映画『フットルース』の劇中歌・伊藤麻衣子(いとうまい子)さんと伊藤かずえさんが主演のドラマ『不良少女と呼ばれて』(大映テレビ・TBS)の主題歌で使われた『NEVER(ネヴァー)』にかわった。
歌を聴きながら眠っている私は、こんなことを考えてみた。
幸せになる方法は、結婚して家庭を持つだけしかないのか…
毎日、家庭と職場だけを往復する暮らしのどこがいいのか…
定時になったらまっすぐ帰宅するのはだれのためだ…
家族が同じ食卓で同じ料理を食べる…
家族が1台のテレビで同じ番組を視《み》る…
そんな暮らしのどこがいいのだ…
西日本の(テレビの)チャンネル数が少ないエリアのあちらこちらをまわって大番頭《おおばんと》はんたちを探し回ったあの時(1981年夏から1984年4月はじめにかけて)、そんなことばかりを考えていた。
………………
いつ頃だったかおぼえてないけど、国鉄小郡駅(JR新山口駅)の新幹線口の前の広場で営業していた屋台のおでん屋でひとり酒をしていた時のことを思い出した。
屋台のオヤジは、ひどく酒に酔っていた私に対してものすごくあつかましい声で言うた。
「おい!!オメーは広場のベンチに座っているカップルたちを見てなんとも思わねーのかよ!?」
酒にひどく酔っていた私は、怒った声で言い返しながら空のコップを突き出した。
「オヤジ!!もう一本つけろ!!」
オヤジは『分かったよ〜』とブツブツ言いながら一升瓶に入っている日本酒を空のコップについだあと私に差し出した。
その後、オヤジは私に対してあつかましい声で言うた。
「おい若いもん!!」
「なんだよ!!」
「広場のベンチに座っているカップルさんたちを見てなんとも思わんのか!?」
「それがどうしたと言うのだよ!?」
「オメーは、嫁はんがほしいとは思わないのか!?」
「またその話かよ!!」
「なんでそんなに怒るのだよ!?」
「オレは57のジジイや!!57のジジイに結婚しろだと…ふざける!!」
私は、コップ酒を一気にのみほしたあとがっくりと肩を落とした。
オヤジは『ああなさけない〜』と言うたあとものすごくあつかましい声で言うた。
「それじゃあ、オメーは人間《ひと》としての幸せはいらないと言うのだな!!」
「人間《ひと》としての幸せはとはなんだよ!?」
「オメーはいつまでこんなだらけた暮らしをつづけるのだ!?」
「るせー!!オレは好きこのんでこんな暮らしを選んだわけじゃないんだよ!!」
「オメーは、帰る家がないと言うつらさがまだ分からないのか!?」
「上から目線でものを言うな!!…オレは…帰る家なんかいらねーんだよ!!…帰る家がなかったら困るのはだれや!?」
「それはオメーだ!!」
「ふざけるな!!帰る家がなかったら困るものはなんだ!?」
「ほんとうにオメーは、帰る家はいらないのだね…」
「ああ!!いらねーよ!!」
「それじゃあオメーは、フカフカのごはんを食べたくないのだな…帰る家があったらフカフカのごはんが毎日食べることができるのだよ…フカフカのごはんの上に焼きたてのお肉をのせて食べているのを見て…つらいとは思わないのか!?」
オヤジからあつかましく言われた私は、空のコップを差し出しながら怒った声で『るせー!!もう一本つけろ!!』と言うた。
オヤジは『分かったよ〜』とブツブツ言いながら空のコップに酒をついだあと私に手渡した。
酒を受け取った私は、ゆっくりと酒をのんだ。
それからまた何週間のあとのことであった。
時は、夕方6時半頃であった。
私は、大三島の盛港《さかり》でフェリーを降りたあと海沿いの県道を歩いて旅をしていた。
この時、私は肥海《ひかい》の漁港の近くにある小さな集落にやって来た。
私はこの時、灯りが灯っている家の前にやって来た。
家の中にいる家族たち8人がテーブルのまわりに集まっていた。
家族たち8人は、フカフカのごはんの上に焼きたてのお肉をのせて食べていた。
この時、私はあの時屋台のオヤジが言うた言葉を思い出した。
フカフカごはんを食べることができないのはつらいとは思わないのか?…
同じ料理を食べるよろこびを家族でキョウユウすることができないのはさびしいとは思わないのか?…
…………………
ふざけるな!!
上から目線でものを言うな!!
私は、ものすごく怒った表情でつぶやきながら歩いた。
その後、私は大番頭《おおばんと》はんたちを探すためにあちらこちらを歩き回った。
…………………
(ゴーッ…)
時は流れて…
アメリカ東部時間2001年6月4日の朝8時頃であった。
A・Bメインの2班のメンバーたち35人とエレンさんが乗っている専用機がフロリダ州のマイアミ国際空港に到着した。
A・Bメインの2班のメンバーたち35人とエレンさんは、専用機から降りたあとタラップ下に停まっている60人乗りの特大バスに乗り込んだ。
(ブロロロロロロロロロロロロロ…)
時は、8時50分頃であった。
A・Bメインの2班のメンバーたち35人とエレンさんが乗り込んだ60人乗りの特大バスがマイアミ国際空港から出発した。
バスは、空港から出発したあと目的地へ向かって走行した。
イワマツグループのメンバーたちは、このあともお仕事の予定がたくさん入っているので休みは1日もない。
時は、アメリカ中部時間6月4日深夜2時半頃であった。
この時間、専用機はカンザス州の上空を飛行していた。
座席に座っている私は、CDウォークマンで歌を聴きながら眠っていた。
イヤホンからオーストラリア出身のロックバンド・ムービングピクチャーズの全曲集に収録されている歌が流れていた。
曲は、映画『フットルース』の劇中歌・伊藤麻衣子(いとうまい子)さんと伊藤かずえさんが主演のドラマ『不良少女と呼ばれて』(大映テレビ・TBS)の主題歌で使われた『NEVER(ネヴァー)』にかわった。
歌を聴きながら眠っている私は、こんなことを考えてみた。
幸せになる方法は、結婚して家庭を持つだけしかないのか…
毎日、家庭と職場だけを往復する暮らしのどこがいいのか…
定時になったらまっすぐ帰宅するのはだれのためだ…
家族が同じ食卓で同じ料理を食べる…
家族が1台のテレビで同じ番組を視《み》る…
そんな暮らしのどこがいいのだ…
西日本の(テレビの)チャンネル数が少ないエリアのあちらこちらをまわって大番頭《おおばんと》はんたちを探し回ったあの時(1981年夏から1984年4月はじめにかけて)、そんなことばかりを考えていた。
………………
いつ頃だったかおぼえてないけど、国鉄小郡駅(JR新山口駅)の新幹線口の前の広場で営業していた屋台のおでん屋でひとり酒をしていた時のことを思い出した。
屋台のオヤジは、ひどく酒に酔っていた私に対してものすごくあつかましい声で言うた。
「おい!!オメーは広場のベンチに座っているカップルたちを見てなんとも思わねーのかよ!?」
酒にひどく酔っていた私は、怒った声で言い返しながら空のコップを突き出した。
「オヤジ!!もう一本つけろ!!」
オヤジは『分かったよ〜』とブツブツ言いながら一升瓶に入っている日本酒を空のコップについだあと私に差し出した。
その後、オヤジは私に対してあつかましい声で言うた。
「おい若いもん!!」
「なんだよ!!」
「広場のベンチに座っているカップルさんたちを見てなんとも思わんのか!?」
「それがどうしたと言うのだよ!?」
「オメーは、嫁はんがほしいとは思わないのか!?」
「またその話かよ!!」
「なんでそんなに怒るのだよ!?」
「オレは57のジジイや!!57のジジイに結婚しろだと…ふざける!!」
私は、コップ酒を一気にのみほしたあとがっくりと肩を落とした。
オヤジは『ああなさけない〜』と言うたあとものすごくあつかましい声で言うた。
「それじゃあ、オメーは人間《ひと》としての幸せはいらないと言うのだな!!」
「人間《ひと》としての幸せはとはなんだよ!?」
「オメーはいつまでこんなだらけた暮らしをつづけるのだ!?」
「るせー!!オレは好きこのんでこんな暮らしを選んだわけじゃないんだよ!!」
「オメーは、帰る家がないと言うつらさがまだ分からないのか!?」
「上から目線でものを言うな!!…オレは…帰る家なんかいらねーんだよ!!…帰る家がなかったら困るのはだれや!?」
「それはオメーだ!!」
「ふざけるな!!帰る家がなかったら困るものはなんだ!?」
「ほんとうにオメーは、帰る家はいらないのだね…」
「ああ!!いらねーよ!!」
「それじゃあオメーは、フカフカのごはんを食べたくないのだな…帰る家があったらフカフカのごはんが毎日食べることができるのだよ…フカフカのごはんの上に焼きたてのお肉をのせて食べているのを見て…つらいとは思わないのか!?」
オヤジからあつかましく言われた私は、空のコップを差し出しながら怒った声で『るせー!!もう一本つけろ!!』と言うた。
オヤジは『分かったよ〜』とブツブツ言いながら空のコップに酒をついだあと私に手渡した。
酒を受け取った私は、ゆっくりと酒をのんだ。
それからまた何週間のあとのことであった。
時は、夕方6時半頃であった。
私は、大三島の盛港《さかり》でフェリーを降りたあと海沿いの県道を歩いて旅をしていた。
この時、私は肥海《ひかい》の漁港の近くにある小さな集落にやって来た。
私はこの時、灯りが灯っている家の前にやって来た。
家の中にいる家族たち8人がテーブルのまわりに集まっていた。
家族たち8人は、フカフカのごはんの上に焼きたてのお肉をのせて食べていた。
この時、私はあの時屋台のオヤジが言うた言葉を思い出した。
フカフカごはんを食べることができないのはつらいとは思わないのか?…
同じ料理を食べるよろこびを家族でキョウユウすることができないのはさびしいとは思わないのか?…
…………………
ふざけるな!!
上から目線でものを言うな!!
私は、ものすごく怒った表情でつぶやきながら歩いた。
その後、私は大番頭《おおばんと》はんたちを探すためにあちらこちらを歩き回った。
…………………
(ゴーッ…)
時は流れて…
アメリカ東部時間2001年6月4日の朝8時頃であった。
A・Bメインの2班のメンバーたち35人とエレンさんが乗っている専用機がフロリダ州のマイアミ国際空港に到着した。
A・Bメインの2班のメンバーたち35人とエレンさんは、専用機から降りたあとタラップ下に停まっている60人乗りの特大バスに乗り込んだ。
(ブロロロロロロロロロロロロロ…)
時は、8時50分頃であった。
A・Bメインの2班のメンバーたち35人とエレンさんが乗り込んだ60人乗りの特大バスがマイアミ国際空港から出発した。
バスは、空港から出発したあと目的地へ向かって走行した。
イワマツグループのメンバーたちは、このあともお仕事の予定がたくさん入っているので休みは1日もない。