大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【土曜日のタマネギ】

時は、1月28日の正午過ぎであった。

またところ変わって、たまよが入院している病院にて…

この時間は、入院患者さんたちのランチタイムであった。

そんな時に、たまよがいる個室病棟《びょうしつ》で深刻な事件が発生した。

(ガシャーン!!)

たまよが食事を持ってきた人に対してものを投げつけたあと暴れまわった。

「ふざけるな!!こんなまずいごはんなんかいらないわよ!!ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

頭がサクラン状態におちいったたまよは、よりし烈な奇声をあげながら病棟内《しつない》を暴れまわった。

たまよは、精神状態がきわめて悪化した。

これにより、病院側は期限をもうけずにたまよのお見舞いを一切禁止にする措置を取った。

またところ変わって、佐和子《さわこ》の家族たちが暮らしている家の大広間にて…

家の大広間のテーブルに美羽《みう》と佐和子《さわこ》がいた。

美羽《みう》は、たまよのお見舞いができなくなったことを佐和子《さわこ》に伝えた。

美羽《みう》からことの次第を聞いた佐和子《さわこ》は、困った声で言うた。

「当分のあいだお見舞いができませんって…どう言うことよ!?」
「たまよさんの精神状態が極力悪化したのよ!!」
「たまよさんの精神状態が極力悪化したから面会禁止になった…困ったわねもう!!」

美羽《みう》は、ものすごく困った表情で佐和子《さわこ》に言うた。

「そんなことよりも、智之ちゃんの今後の人生のことがものすごく心配になっているのよ!!」
「そうよね…たまよさんの入院生活が長期間に渡ってつづいている…比佐志《ひさし》がたまよさんに対して言葉の暴力をはいたあとどこかへ逃げた…その後、音信不通になった…ほんとうに困ったわね!!」

美羽《みう》は、ものすごく困った表情で佐和子《さわこ》に言うた。

「おばさま、この際だから妹尾《せのお》(たまよの実家)のご夫婦を交えて協議《はなしあい》をした方がいいと思うけど…」

佐和子《さわこ》は、ものすごく困った表情で言うた。

「もちろんそのとおりよ…だけど、妹尾《せのお》の家の人たちは仕事上の都合で時間が取れないと言うてるのよ〜」
「それじゃあどうすればいいのよ!?智之《ともゆき》ちゃんは4年後に小学校《ガッコー》に入学するのよ!!その時までになんとかしないと困るのはおばさまたちなのですよ!!」
「そんなことは分かってるわよ!!」

ものすごくいらついた表情を浮かべている佐和子《さわこ》は、右手で髪の毛をかきむしりながらキーッと怒り狂った。

時は、夕方4時頃であった。

またところ変わって、京阪電車の京橋駅の付近にある公園にて…

公園のベンチに座っている比佐志《ひさし》さんは、考え事をしていた。

そんな時であった。

比佐志《ひさし》さんは、広島空港のすぐ近くにあるゴルフ場のクラブハウス内にあるレストランで櫃石島商事《まえのかいしゃ》の社長さまとお会いした時のことを思い出した。

今から4日ほど前の夕方頃であった。

ところ変わって、広島空港のすぐ近くにあるゴルフ場のクラブハウス内にあるレストランにて…

つかれた表情を浮かべていた比佐志《ひさし》さんに対して、櫃石島商事《まえのかいしゃ》の社長さんがやさしくお声がけした。

「福津さん、福津さん。」
「はい。」
「久しぶりだね…福津さんはイワマツグループに転籍したのだね。」
「はい。」

社長さんは比佐志《ひさし》さんが櫃石島商事《まえのかいしゃ》と出向先の会社をやめたことはひとことも言わなかったが、比佐志《ひさし》さんのことを心配していた。

社長さんは、比佐志《ひさし》さんに対してやさしい声で言うた。

「福津さん…福津さんは櫃石島商事《うちのかいしゃ》で1日も休まずにがんばって出社したよね。」
「はい。」
「出向先の会社(新宮市内にある水産会社)でも、1日も休まずにがんばって出社したよね〜」

だからなんだと言いたいのだ…

比佐志《ひさし》さんは、いらついた表情でつぶやいたが必死になって怒りをこらえた。

社長さんは、カドにやさしい声で比佐志《ひさし》さんに言うた。

「福津さん。」
「なんでしょうか?」
「(水産会社)の社長さまが心配していたよ…『どうして急にやめたのかな?』と言うてたよ。」
「社長、それはどう言うことでしょうか?」
「どう言うことって、(水産会社)の社長さまは『福津さんは仕事を正確に早くできるから助かっているよ〜』と言うてくださったのだよ〜」

比佐志《ひさし》さんは『お言葉を返すようでもうしわけございませんが…』と言うたあと、社長さんにこう言うた。

「社長、なんでぼくは(水産会社)へ出向になったのですか?」
「だから、(水産会社)の女性従業員さんが育休を取ったから人手《ひと》が足りないから助けてくれと社長さまが申し出たからだよ…女性従業員さんは2ヶ月後にフクショクするのだよ…あと2ヶ月のあいだがんばって勤めたら櫃石島商事《うちのかいしゃ》に戻ることができたのだよ…櫃石島商事《うちのかいしゃ》の従業員さんたちは福津さんと一緒に働きたいと言うてるのだよ〜」
「ですからそれはどう言うことでしょうか?」
「櫃石島商事《うちのかいしゃ》の従業員さんたちは福津さんを頼っているのだよ…いつだったかおぼえてないけれど…ああ、御子柴《みこしば》くんが5日後に必着の郵便物を切手を貼らずに出したことが原因でトラブルになった時だったかな…その時、福津さんが速達で届くように調整したよね…あれで予定より1日早く到着することができたのだよ…御子柴《みこしば》くんは福津さんのおかげで助かったのでお礼がしたいと言うてたのだよ〜」

比佐志《ひさし》さんは、社長さんに対してこう言うた。

「社長、それはどう言うことでしょうか?御子柴《みこしば》くんは、私がいないとお仕事ができないと言うのですか?」

社長さんは、ものすごく困った表情で比佐志《ひさし》さんに言うた。

「そんなことは言うてないよ〜…御子柴《みこしば》くんは福津さんのことを頼っているのだよ…御子柴《みこしば》くんだけじゃなく、櫃石島商事《うちのかいしゃ》の従業員さんたちはみんな福津さんがいないとさびしいさびしいと言うてるのだよ〜」

なさけないわ…

比佐志《ひさし》さんは、冷めた表情を浮かべながらつぶやいた。

社長さんは、カドにやさしい声で比佐志《ひさし》さんに言うた。

「福津さん。」
「社長、社長は私にどうしろと言いたいのですか?」
「わしは福津さんがやめたことをとがめているのじゃないのだよ…わしは『残念だな〜』と言うただけなのだよ〜」
「ですからなんだと言うのでしょうか?」

社長さんは、近くにあったビール瓶を手にしたあと怒鳴り声をあげた。

「わしは『残念だな〜』と言うただけだ!!」

近くにいた人たち数人が社長さんを止めながら怒った声で言うた。

「社長、おやめください!!」
「品格を乱すことをしないでください!!」
「離せ!!品格ってなんだ!?わしは漢字の意味がわからないのだよ!!」
「社長!!品格を保ってください!!」
「経営者としての自覚を持ってください!!」
「だまれ!!きさまらはヒラの分際でわしに意見を言うのか!?」

この時、櫃石島商事《ひついしじま》の社長さまが酔った勢いで周りに暴言をはいたなどで場の雰囲気が悪くなった。

それが原因で、商談がパーになった。

この時、櫃石島商事《ひついしじま》の社長さまは私が所有しているニッケル鉱山の採掘権のリース契約を申し込みたいのでうちと商談したいと思っていた。

しかし、社長さまが品格を乱したので商談が実現しなかった…と言うことであった。

ゴルフコンペ2日目は、櫃石島商事《ひついしじま》の社長さまひとりのせいでうちを入れて全体の8割強の会社の社長さまがキケンして帰る事態になったので取りやめになった。

…………………

場面は戻って、京阪電車の京橋駅の近くにある公園にて…

ベンチに座っている比佐志《ひさし》さんは、ぼんやりとした表情であたりを見渡しながらなにを考えていたのか?
< 283 / 900 >

この作品をシェア

pagetop