大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【嘆(なげ)き】

さて、その頃であった。

またところ変わって、佐和子《さわこ》の家族たちが暮らしている家の大広間にて…

大広間のテーブルに佐和子《さわこ》智太郎《ともたろう》の夫婦とたまよの実母・砂川《さかわ》のぶえと実弟・哲史《てつし》(40歳)と哲史《てつし》の妻・香那《かな》(40歳)のあわせて5人が集まっていた。

テーブルの上には、緑茶が入っている砥部焼の湯のみが並んでいた。

この時、のぶえはものすごくつらい表情で佐和子《さわこ》に言うた。

「比江島《ひえじま》さん…わたくしどもは…大きなセンタクミスをおかしたと思っています。」
「大きなセンタクミスをおかした?」
「はい。」

のぶえは、緑茶をひとくちのんだあとものすごくつらい表情で佐和子《さわこ》に言うた。

「わたくしが(ウクライナ人のカレ)くんと結婚を決めたことを反対したことがいけなかったのです…比佐志《ひさし》さんはサラリーマンで安定した収入があるから…たまよと智之《ともゆき》を十分に養える…そう思っていました…しかし…比佐志《ひさし》さんは…わたくしどもが思っている人ではありませんでした…比佐志《ひさし》さんは…気に入らないことがあったりむしゃくしゃしている時に…たまよと智之に八つ当たりしていたのです!!」

のぶえから話を聞いた智太郎《ともたろう》は、おどろいた表情で言うた。

「比佐志《ひさし》がたまよさんと智之《ともゆき》に暴力をふるっていた…それはほんとうなのですか!?」

のぶえは『ほんとうです。』と言うたあと、つらそうな声で言うた。

「うちも、前のダンナからどぎつい暴力をふるわれたことを苦にダンナとリコンしました…同時に、妹尾《せのお》の家とリエンしました。」

佐和子《さわこ》は、つらい表情で『そうでしたか〜』と言うたあとのぶえに言うた。

「美羽《メイ》から聞いた話ですが…たまよさんは…お医者さまから退院するようにとカンコクされました。」
「退院するようにとカンコクされた?」
「ええ…入院する予定の患者さまがいるので、ベッドを空けてくださいと言うことです。」
「それは困るわよ〜」

のぶえは、つらそうな表情を浮かべながら佐和子《さわこ》に言うた。

「たまよは、小さい時から身体《からだ》が弱かったのです〜」
「小さい時から身体が弱かった?」
「ええ…たまよが生まれてきた時…未熟児だったのです…2歳ぐらいの時からひんぱんに病気をするようになりました…中学3年の終わり頃にボーコーガンを発症したことが原因で高校進学をあきらめて療養に専念していました…高校に行くことができたのは…28歳からでした…たまよは、それから11年かけて高校と大学の卒業証書を手にすることができました…」

佐和子《さわこ》は、ものすごく困った表情でのぶえに言うた。

「お話の途中ですが…奥さまは、たまよさんをどうしたいのですか?」
「どうしたいって、違う病院に移したいのです。」
「どこかあてはあるのですか?」
「ありません。」
「だったら、おとなりの家の奥さまに頼みましょうか?」
「えっ?」
「おとなりの家の奥さまの知人に設備が整っている病院に勤務している看護婦さんがいるのです…病院は市外にありますが、それでもいいですか?」

佐和子《さわこ》の問いに対して、のぶえは『お願いします〜』と答えた。

その後、佐和子《さわこ》はのみかけの緑茶を一気にのみほした。
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