大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【虫けらたちの数え歌】

時は、11月28日の朝8時50分頃であった。

またところ変わって、比江島家の大広間にて…

大広間のテーブルに佐和子《さわこ》と智太郎《ともたろう》と美羽《みう》と基安《もとやす》の4人がいた。

基安《もとやす》は、ものすごくつらい表情で地方《よそ》へ転勤することが決まったと伝えた。

佐和子《さわこ》は、ものすごく困った表情で言うた。

「テンキン…どこへテンキンするのよ!?」
「どこへって…北海道です。」
「北海道。」
「胆振東部《いぶり》の片田舎の地域で展開されていた事業が大失敗したので、後始末をすることになりました。」
「事業が失敗した…」
「その事業を立案したのはぼくです…全責任は、立案したぼくに全部あるのです。」

智太郎《ともたろう》は、つらそうな声で基安《もとやす》に言うた。

「なにも君ひとりが責任をしょい込むことはないと思うよ〜」

佐和子《さわこ》は、つらそうな声で言うた。

「それで、後始末が完了するまでどれくらいかかるのよ?」

基安《もとやす》は、つらい声で答えた。

「2年…はやくても2年です。」

智太郎《ともたろう》は、あつかましい声で言うた。

「はやくても2年だと!?」

基安《もとやす》は、怒った声で言うた。

「ですから最速で進めても2年かかるのです!!ほかにも、ぼくが立案した事業が胆振東部《いぶり》に8件あるのです!!8つとも採算が悪化したので事業を取りやめることになりました!!」
「そんな〜」
「それを含めて、すべて完了するまでにさらに時間を要するのです!!」
「基安《もとやす》さん…」
「これからすぐに出発します。」
「もう出発するの!?」
「はい。」

基安《もとやす》は、スーツケースを手にしたあと席を立った。

その後、基安《もとやす》はつらい声で3人に言うた。

「長いあいだ、お世話になりました…」

(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、午前10時過ぎであった。

基安《もとやす》は、JR新宮駅から名古屋行きの特急ワイドビュー南紀に乗って旅に出た。

基安《もとやす》は、この日を最後に新宮市に帰らなくなった。
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