大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【かなしみもよう】

時は、午後1時半頃であった。

またところ変わって、美郷《みさと》さんがいる診察室にて…

診察室に美郷《みさと》さんと数人の看護婦さんと美郷《みさと》さんの義父でゆりさんたちのお父さまで溝端屋の大番頭《おおばんと》はんであった君波誠一郎と老健施設《しせつ》の介護職員《しょくいん》2人がいた。

大番頭《おおばんと》はんは、和歌ノ浦にある老健施設《しせつ》で暮らしていた。

大番頭《おおばんと》はんは、10年前に脳いっ血にりかんしたあと身体が衰弱していた。

…………………………

この日は、大番頭《おおばんと》の定期的な内科検診を受ける日であった。

美郷《みさと》さんは、聴診器を使って大番頭《おおばんと》はんの胸の検査をしていた。

………………………

それから30分後であった。

大番頭《おおばんと》の内科検診が終わった。

大番頭《おおばんと》はんは、弱々しい声で美郷《みさと》さんに言うた。

「美郷《みさと》さん…美郷《みさと》さん…」
「義父《おとう》さま。」
「アレは…どないなってんねん?」
「義父《おとう》さま、イワマツのことは心配しなくても大丈夫よ。」
「せやろか…ヨシタカさまが脳こうそくで倒れた知らせを聞いた翌日から…ものすごく心配になってんねん〜」
「義父《おとう》さま、イワマツのことはゆり義姉《ねえ》さんたちがいるから大丈夫よ!!」
「わしはゆりたちが心配なんじゃ!!」

大番頭《おおばんと》はんがひどくコーフンしたので、介護職員《しょくいん》たちが必死になだめた。

美郷《みさと》さんは、ものすごくつらそうな表情を浮かべながらつぶやいた。

義父《おとう》さま…

イワマツのことは、ゆり義姉《ねえ》さんたちに任せてください…

義父《おとう》さまは…

身体《からだ》を治すことだけを考えてよ…

うちはものすごく困っているのよ…

……………………………
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