大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
第56話・ルビーの指環

【ろくでなしの唄】

時は、午後2時半頃であった。

私は、徳島市内のあちらこちらを回ってソヒ姐《ねえ》はんを探し回った。

約3時間かけて徳島市内《しない》のあちらこちらを回ったが、ソヒ姐《ねえ》はんはどこにもいなかった。

ソヒ姐《ねえ》はんは、一体どこへ行ったのか?

………………………

時は、夕方5時過ぎであった。

またところ変わって、新町川《かわ》の東側にある公園にて…

ベンチに座っている私は、ウォークマンで歌を聴きながら考え事をしていた。

イヤホンから根津甚八さんの歌で『ろくでなしの唄』が流れていた。

新町川《かわ》ぞいにある公園の街灯のあかりがぽつりぽつりとともり始めた。

公園にあるベンチに若いカップルたちが座っていた。

………………………

私は、ほんとうの恋をしたことが一度もなかった…

セバスチャンじいさんが遺言状に『男女がイチャイチャするのはけしからんことだ!!』と言うて私に対して『恋愛厳禁令』を出した…

男女間の恋愛自体が気に入らない…

恋愛と結婚を結びつけるやつはまともな生き方ができない人間だ…

…とセバスチャンじいさんはボロクソにヒハンしていた。

他にも、セバスチャンじいさんは若い人たちの考え自体もボロクソにヒハンしていた。

セバスチャンじいさんが頭ごなしに否定したことが原因で、私は良縁に恵まなかった。

ドサイアクだ…

…………………………

こんな言い方してなんだけど、私は生まれてきた家を間違えたと思う。

あるいは、病院の医師が故意に取り違いを起こしたことが原因でイワマツ家に来た…

…と思っている。

今の私は、セバスチャンじいさんに対してよりし烈なうらみをかかえていた。

許さない…

私の人生を勝手に決めたセバスチャンじいさんは…

一生許さない…

……………………

それよりも、これから先どうしようか…

イワマツの財産一式はもうなくなったと思う…

経営者の仕事自体が苦痛になった…

その前に、一度も会社づとめをしたことがない、結婚したことがないなど…

社会経験が激乏《とぼ》しすぎる状態ではどこへ行っても役に立たない…

こんな状態が死ぬまでつづくと言うのか…

ドサイアクだ…

……………………
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