大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【あの橋わたれ】

(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)

時は、午後1時50分頃であった。

私は、郷桜井の国道沿いにあるトラックステーションでヒッチハイクした長距離トラックに乗って再び旅に出た。

トラックは、国道196号線〜11号線を通って松山方面へ向かった。

午後4時過ぎであった。

トラックは、松山市中心地の勝山町の交差点付近に到着した。

ショルダーバッグを持ってトラックから降りた私は、運転手《うんちゃん》にお礼を述べた。

トラックが出発したあと、私は左腕につけているロレックスの腕時計を見た。

時計のはりは、夕方4時10分をさしていた。

ほたるさんの店があくのは夜7時であった。

私は、空いている時間を利用して道後温泉《どうご》へ行った。

……………………

時は、夕方4時半頃であった。

またところ変わって、道後温泉本館の前にて…

本館の前に坊ちゃんとマドンナの姿の新郎新婦さんがいた。

そのまわりにおおぜいの観光客たちがいた。

新郎新婦さんは、おおぜいの観光客たちから祝福を受けた。

しあわせいっぱい夢いっぱい…

おおぜいのみなさまに祝福された新郎新婦さんは、満面の笑みを浮かべていた。

悲しくなった私は、その場から出た。

(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

時は、夕方5時過ぎであった。

私は、道後温泉《どうご》から出たあと電車通りを歩いて大街道へ向かった。

道路の真ん中に路面電車《トラム》が走っていた。

車道にたくさんの自動車が走っていた。

ショルダーバッグを持って歩いている私は、泣いていた。

「うううううううううううううううううう…一人はイヤだ…花嫁さんがほしいよ…うううううううううううううううううううう…」

………………………

時は2031年12月22日夜7時に5分前頃であった。

またところ変わって、フレンチリバーの特大豪邸にて…

テーブルの上に置かれているエクスペリアのウォークマンの保護フィルムの上に大つぶの涙がたくさん落ちていた。

画面に映っている『あの橋わたれ・橋幸夫〜NHKみんなのうた』の表示が涙でぼやけて映っていた。

もちろん、一曲リピートにセットされていた。

涙を大量に流していた私は、歌を聴きながら泣いていた。

この時であった。

ゆりさんとゆかさんとゆいさんと陽子さんと美澄さんとミンジュンさんの6人とゆあさんたち副リーダー4人のあわせて10人が帰宅した。

ゆかさんは『ただいま帰りました〜』と言うた。

ゆあさんは、震える声で泣いている私に声をかけた。

「ヨシタカさま…ヨシタカさま…ああ、ゆかねーちゃん大変よ!!」
「分かったわ!!」

ゆかさんは、泣いている私のそばに行った。

ゆかさんは、大きなカバンの中から水銀の血圧計とオムロンの電子体温計を取り出した。

つづいて、聴診器を耳に取り付けた。

その後、左腕の曲り目の部分に聴診器をあてたあとリストバンドを巻いた。

ゆかさんは、大急ぎで私のバイタルチェックを始めた。

(ペコンペコンペコンペコンペコンペコン…プシュー…)

リストバンドのエアが抜けたあと、チェックシートに血圧値と脈拍数を記入した。

ゆりさんは、ゆかさんに声をかけた。

「ゆか。」
「おねーちゃんたいへんよ!!ヨシタカさまの最大血圧値が90を下回ったわ!!」
「えっ!?」
「脈拍数は通常どおりなのに…どうして…」

(ピピピピ…)

この時、電子体温計の電子音が鳴った。

ゆあさんは、私の右わきにはさんでいた電子体温計を取り出したあと体温を言うた。

「41度4分…」

ゆかさんは、しかめた表情でチェックシートに記入した。

ミンジュンさんは、ものすごくしかめた表情で私の容体がキトク状態の一歩手前におちいったと言うた。

「ヨシタカさまは…最終段階に入りました。」
「最終段階に…入った…」
「今の状態は…薬を投与しなければ体力を維持して行くことができません!!」
「わかったわ!!」

ゆかさんは、ゆあさんたち副リーダー4人に対して声をかけた。

「ゆあ、ゆま、近本さん、度会《わたらい》さん!!」
「ゆかねーちゃん。」
「大急ぎでヨシタカさまに熱覚ましの注射を打つわよ!!」
「注射…」
「はよして!!」
「わかったわ!!」

玲奈さんは、クーラーボックスの中に入っていた熱ざましの薬が入っている注射器を取り出した。

美澄さんは、私の左腕のつけ根にひもをまきつけた。

ゆかさんは、陽子さんに声をかけた。

「陽子さん!!大急ぎでイノバン(最大血圧値を90〜120台に回復させる薬)を出して!!」
「イノバン…」
「はよして!!」
「分かりました〜」

陽子さんは、クーラーボックスの中からイノバンが入っている袋を取り出したあと点滴を打つ準備を始めた。

ゆりさんは、イノバンが入っている袋を台にセットした。

陽子さんは、投与する管を袋につなげたあと袋を台にセットした。

ゆいさんは、玲奈さんから受け取った注射器を使って私に注射を打った。

その後、陽子さんが私の左腕に点滴のくだをゆっくりと差し込んだ。

「ヨシタカさま、痛いけどガマンしてください…」

………………………

陽子さんは、ゆかさんに声をかけた。

「点滴をセットしました。」
「ごくろうさまでした…ミンジュンさん、ヨシタカさまのそばにいてください。」
「分かりました。」

ミンジュンさんは、震える声で泣いている私の背中に毛布をゆっくりとかけたあとやさしく声をかけた。

「ヨシタカさま、もうすぐ桜子さんたちとアンナさんがお帰りになりますよ…それまで、わたしがそばにいます。」

ミンジュンさんは、私の肩を優しく抱きしめた。

……………………

この時、桜子たちとアンナとフランソワさんたちとオルド支えのスタッフさんたちは、家の敷地に入った。

このあと、特大豪邸に入る予定である。
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