大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【男が涙を流す時】

話は、私が松山から東予市へ移動していた時であった。

時間はたしか夜10時半を過ぎた頃であった。

またところ変わって、国鉄伊予桜井駅の裏側にある集落にて…

集落にある大型和風建築の家で恐ろしい事件が発生した。

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

家の中で、恐ろしい叫び声が響いた。

家の大広間にて…

家の大広間に70代の夫婦と30代前半の若い夫婦が倒れていた。

4人の身体から大量の血が流れていた。

部屋の中に全身黒づくめの衣服姿の女がいた。

全身黒づくめの衣服姿の女は、非常に鋭いナイフと破壊力が大きいハンマーを持っていた。

「ビャーーーーーーーーー!!」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「フギャー!!」

つづいて、30代の夫婦の小学5年生の女の子と年中の男の子と生後間もない女の子の赤ちゃんがハンマーで頭を殴られて殺された。

部屋の隅で40代の男がおびえていた。

殺されたのは、三永《みえ》さんの元ダンナの両親と元ダンナのいとこの夫婦といとこ夫婦の3人の子どもたちであった。

部屋の隅でおびえていたのは三永《みえ》さんの元ダンナであった。

三永《みえ》さんの元ダンナは、全身黒ずくめ姿の女に命ごいをした。

「殺さないでくれ〜…殺さないでくれ〜…この通りだ!!…わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

(ガーン!!ガーン!!ガーン!!ガーン!!)

全身黒ずくめ姿の女は、三永《みえ》さんの元ダンナの背中を破壊力が強いハンマーでボコボコに殴りつけた。

「頭がいたい…頭がいたい…」

このあと、全身黒ずくめ姿の女は家の中に万札《だい》500枚と貴金属類などを大量に盗んだ。

……………………

それから20分後であった。

(ボッ…バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!)

全身黒ずくめ姿の女は、揮発油がしみ込んだ新聞紙に火をつけたあと右となりの空き家2軒と左となりの家に火を放った。

火は、またたくまに燃え上がった。

(バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!ゴォー!!ゴォー!!)

このあと、集落一帯にし烈な炎が燃え広がった。

(キュルルルルルルルルルルルルルルルル…グォーン!!)

同時に、全身黒ずくめの女が乗り込んだ白のダイハツハイゼットトラックが出発した。

「待てくれ〜…」

(ドスン!!)

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

三永《みえ》さんの元ダンナがハイゼットトラックにはねられた。

ハイゼットトラックは、猛スピードで走り出したあと踏み切りを強行突破した。

三永《みえ》さんの元ダンナは、踏み切りの近くにある草地に落ちた。

この時、草地が火の海に包まれた。

「熱い!!助けてくれ!!」

三永《みえ》さんの元ダンナは、背中に火がついた状態でのたうち回った。

集落一帯を燃やしていたし烈な炎が近くの山に燃え広がった。

…………………………

時は、深夜11時40分頃であった。

またところ変わって、東予市の高須海岸の近くにあるラブホにて…

三永《みえ》さんがリザーブした部屋にいる私は、ラジオを聴いていた。

イヤホンからNHKラジオ第一放送で放送されていたラストプログラム『夢のハーモニー』が流れていた。

私は、ラジオを聴きながら三永《みえ》さんが到着する時を待っていた。

しかし…

三永《みえ》さんは、まだ来なかった。

…………………

遅いな…

もうすぐ0時になると言うのに…

三永《みえ》さんは…

どこへ行ったのか…

………………………

それからしばらく時間が経過した時であった。

私は、左腕につけているロレックスの腕時計を見ながら言うた。

「11時53分…もうすぐ0時になるのに…三永《みえ》さんはどこにいるのだ!?」

イヤホンから番組のエンディングが流れていた。

11時55分からは1日の最後のNHKニュースと四国地方の明日の天気予報〜0時の時報のあと、国歌斉唱を経て番組終了となる。

……………………

イヤホンから1日の最後のNHKニュースが流れていた。

「◯◯山がお伝えしました…(ポン)…」

このあと、放送が突然とぎれた。

小さな雑音とわけのわからないハングルがかすかに聞こえていた。

こわい…

これは一体なんなのだ…

……………………………

それから8分後(10月11日の深夜0時5分頃)だった。

(ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン…)

この時、イヤホンから二段階チャイムがひっきりなしに鳴った。

臨時ニュースが入ったかもしれない…

……………………

それから2分後であった。

イヤホンから二段階チャイムがひっきりなしに流れた。

こわい…

一体なにがあったのだ!?

…………………………

またところ変わって、ホテルの外にて…

私は、ショルダーバッグを持ってホテルから出た。

この時であった。

(ドスーン!!ドカーン!!)

うんと遠い場所から規模の大きな爆発音が響いた。

なんだ…

なにがあったのだ!?

規模の大きな爆発音を聞いた私は、ひどく動揺した。

(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!ドカーン!!ドカーン!!ドカーン!!)

さらにその上に、より大きな爆発音が連続して響いた。

(ウーウーウーウーウーウーウーウーウーウー…カンカンカン…)

国道に出た時であった。

この時、消防車がけたたましいサイレンと鐘を鳴らしながら今治方面へ向かって走っていたのを見た。

これは一体なんなのだ!?

より不安定な気持ちにおちいった私は、国道に出たあと小松方面へ向かって歩いた。

…………………………

時は、深夜1時40分頃であった。

またところ変わって、横町のバス停のすぐ近くにあるナイトショップいしづちにて…

この時、お店の人が店の前でなんらかの準備をしていた。

通りかかった私は、店の人に声をかけた。

「あの〜」
「(フキゲンな声で)なんぞぉ〜」
「あの〜、さっき消防車がサイレンと鐘を鳴らしながら走っていったのを見ましたが〜」

私の問いに対して、店の人が怒った声で言うた。

「おまえ!!ニュースを見てないのか!?」
「ニュース?」
「ああ!!」

まさか…

私は、大急ぎで店の中に入った。

この時、店にある18型のナショナルクイントリックス(カラーテレビ)の画面にNHK総合テレビが映っていた。

画面にライトアップされている松山城が映っていた。

私は、左腕につけているロレックスを見ながらつぶやいた。

深夜1時45分だ…

大きな爆発は、10日の深夜11時55分頃に価発生した…

…と思う。

私は、店に入った人に声をかけた。

「あの〜」
「なんぞぉ!!」
「これ、NHK総合テレビですね~」
「そうだよ!!0時過ぎからこの画面がずっと映っているのだよ!!臨時ニュースのチャイムがひっきりなしに鳴ったあと、自動放送の画面に変わったのだよ!!」

それどう言うこと?

ますますわけが分からなくなった。

この時であった。

二段階チャイムがひっきりなしに鳴ったと同時に濃いネイビーに白い字で『臨時ニュース』と書かれた画面が映った。

このあと、スタジオにいる白髪の男性アナウンサーが臨時ニュースを伝えた。

「臨時ニュースをお伝えします…昨夜11時55分頃に愛媛県今治市中心部で大規模な爆発を伴った殺りく事件が発生したと防衛庁が発表しました…くわしいことは状況が分かり次第お伝えします…繰り返します…」

ニュースが終わったあと、画面は深夜の松山市内の様子に変わった。

画面の下に『愛媛県今治市中心部で発生した大規模爆発を伴った殺りく事件が発生しました…くわしい状況がわかり次第お伝えします…』と書かれていた。

テレビのスピーカーからものすごく不気味なピアノ演奏の曲が流れていた。

私は、背筋が一気に凍りついた。

この時であった。

店の人が怒った声で私に言うた。

「おい!!」
「はっ?」
「いまうちはものすごくバタバタしているのだよ!!用がないのだったらさっさと出ろよ!!」
「分かりました。」

私は、ショルダーバッグを店から出ようとした。

この時、店の人が私に『待て!!』と言うて止めた。

店の人は、売れ残りのお弁当4食と500ミリリットルのサントリー缶ビール4本とブルボン羽衣あられと亀田の柿の種を白の大きなレジ袋に詰めたあと私に手渡した。

「おじさん…ありがとうございます。」

店の人は、心配げな声で言うた。

「おまえ、これからどこへ行くのだ!?」
「えっ?」
「おまえ、帰る家はどこにあるのだ!?」
「帰る家?」
「おまえ、嫁はんはおらんのか?」
「お嫁さんはいません…」
「なんでおらんのぞ!?」
「なんでと言われても…分かりません…」

私は、店の人にお礼を言うたあと店から出た。

私は、国道196号線を歩いて小松町方面へ向かった。

この時、うんと遠い場所から大きな爆発音が聞こえた。

三永《みえ》さんはどこへ行ったのか…

三永《みえ》さんは…

私と約束したことを…

きれいに忘れたのか…

…………………………
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