大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【あなたのブルース】

時は、夜8時頃であった。

またところ変わって、ケゴ公園の中にある電話ボックスにて…

私は、四角のだいだい色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「もしもし、松山市の▽▽タクシーさまでございますか?…お忙しいところをもうしわけございません…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…あの…すみませんけど、8月20日の深夜の3時台に…えーと…千舟町5丁目の交差点付近に停まっていたタクシーを運転していた方とお話をしたいのですがよろしいでしょうか…えっ?…同じ日に例の女性をタクシーに乗せた運転手さんがいらっしゃるのですね…その方と代わっていただけますか?…お願いします。」

(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)

私は、待っているあいだに10円玉40枚を投入口に入れた。

受話器のスピーカーから矢吹健さんの歌で『あなたのブルース』の保留音が鳴っていた。

またところ変わって、松山市にあるタクシー会社の事務所にて…

60代前半の運転手の男性は、受話器ごしにいる私に話した。

「もしもし、運転手の□山でございます…私、コリントさまが言いました三永《みえ》さんと言う女性を乗せました。」
「そうですか…乗せましたか…その方はどちらから乗られたのですか!?…カヤマチ6丁目の駅…ちょっと待ってください!!」

私は、ショルダーバッグの中に入っていたスーパーマップルの四国地方の道路地図を取り出した。

ショルダーバッグのフタをしめたあと松山市北部のページをひらいた。

(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)

つづいて、コイン投入口に10円玉を50枚を入れた。

その後、私は受話器ごしにいる運転手さんに話しかけた。

「もしもしお待たせしました〜…えーと、三永《みえ》さんは、(いよてつ)市内線のカヤマチ6丁目の駅の近くにいましたね…そこからタクシーに乗られたあと、どちらへ向かいましたか?…はい…はい…」

私は、赤のラッションペンを使ってカヤマチ6丁目の駅から目的地までの道のりを書き込みながら話した。

「カヤマチ6丁目の駅を出発したあと、松山北環状線《かんじょうせん》に出る交差点へ行きましたね…交差点からどちらの方向へ曲がりましたか?…右…右へ行ったあとは…鴨川から平田町の方へ向かった…最終目的地はどこですか!?…もしもし!!□山さん!!…その途中でなにがあったのですか!?…まさか、不測の事態が発生したのですか!?…もしもし、鴨川から平田町の国道を走っていた時に不審な自動車《くるま》を見たのですか!?…□山さん、聞こえますか!?」

私は、受話器ごしにいる運転手さんに声をかけたが応答しなかったのでものすごく困り果てた。

時は、夜9時過ぎであった。

公園内にあるベンチの上にスーパーマップルの四国地方の道路地図がひらいた状態で置かれていた。

私は、万年筆を使ってカヤマチ6丁目の駅から国道196号線までの道のりを書き込みながら言うた。

「三永《みえ》さんは、カヤマチ6丁目の駅の近くにある友人宅にいた…三永《みえ》さんは…駅の付近でタクシーに乗った…タクシーは…松山北環状線《かんじょうせん》に出たあと…国道196号線へ向かった…この時…タクシーは不審な自動車《くるま》と遭遇した…それじゃあ、最終目的地に着くまでのあいだ…タクシーは、不審な自動車《くるま》に追いかけ回されていた…それは一体だれや!?」

つづいて、私は松山城のページをひらいた。

私は、万年筆のキャップを使って殺人事件が発生した現場から千舟町通りまでの道順を調べた。

「もしかしたら…三永《みえ》さんは…あちらこちらの道を走り回ったあと千舟町通りへ出た…大街道《しょうてんがい》を通って千舟町通りへ出ることはできるが…その付近に交番があった…なので…交番を避けるために違う道を選んで…千舟町通りへ出た…と言うことだな…」

………………

一体、三永《みえ》さんは…

どこへ行こうとしたのか?…

それがわからないので、ますます困った…

どうしたらいいのだ…

………………………………
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