大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)
【わすれ鳥のうた】
時は、夜10時55分頃であった。
またところ変わって、鹿屋市内《しない》にある安夫夫婦の家族たちが暮らしている家にて…
家の広間に安夫夫婦と熊代さんがいた。
文子は、広間に置かれているうぐいす色のプッシュホンを使って電話をかけていた。
文子は、しほこが中学・高校から大学にいた時に仲良しだった友人宅に電話をかけてしほこが来ていないかどうかをたずねていた。
「そうですか…分かりました…あの…しほこがそちらにお越しになられたら『うちに帰るように』と伝えていただけますか?…お願いします。」
(ガチャン…)
文子は、受話器を置いたあと大きく息をした。
安夫は、不安げな声で文子に言うた。
「どうだった?」
「■美ちゃんの家にもいなかった〜」
「困ったな〜」
この時であった。
(ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!)
うぐいす色のプッシュホンからけたたましいベルが鳴り響いた。
熊代さんは、安夫夫婦に対して『私が出ましょうか?』と言うたあと受話器を取った。
「はい、徳田です…しほこさん!!今どこにいるのですか!?…ああ、失礼しました〜」
……………………………
またところ変わって、国鉄北伊予駅の入り口付近に設置されている電話ボックスにて…
私は、四角の黄色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。
「熊代さん!!熊代さんは今どちらにいらっしゃるのですか!?…逃げ隠れするのもよかかげんにしてください!!…今どちらにいらっしゃるのですか!?」
熊代さんは、困った表情で受話器越しにいる私に声をかけた。
「今、徳田さん方にいます…長女さんがまだ帰宅していないので…家族のみなさまが心配なされているのです。」
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)
私は、コイン投入口に10円玉を50〜80枚入れながら受話器越しにいる熊代さんに対して怒鳴り声をあげた。
「そんなことよりも人の話を聞いてください!!熊代さんの奥さまはどちらへ行かれたのですか!?」
受話器のスピーカーから熊代さんの声が聞こえた。
「コリントさま…一体なにがあったのですか?」
「それはこっちが言うセリフだ!!…そんなことよりも私の話を聞いてください!!…きのう私が伊佐山《いさやま》さんの娘さんとお会いした時の件について、私はものすごく怒っているのですよ!!…熊代さんが『納得行かない』と言うたので私は伊佐山《いさやま》さんの娘さんに電話をおかけしました…輿石《こしいし》さん方にもお電話をおかけしました!!…その結果、伊佐山《いさやま》さんの娘さんが話された内容が正解であったことが確定しました…熊代さん!!よそ見しないでください!!」
熊代さんは、ものすごく困った表情で受話器越しにいる私に声をかけた。
「すみません…ちょっと…柱時計《とけい》をみていたのです。」
受話器のスピーカーから私の怒鳴り声が響いた。
「柱時計《とけい》をみていた!?」
「すみません。」
「とにかく人の話を聞いてください!!」
「すみません…あの…もう一度最初から説明していただけますか?」
私は、受話器越しにいる熊代さんに対してものすごく怒った声で言うた。
「熊代さん!!私が今どんな気持ちに置かれているのかと言うことを考えたことがありますか!?…私は、熊代さんが『納得できない』と言うたので伊佐山《いさやま》さんの娘さんと輿石《こしいし》さんのご家族の方に電話をかけて確認を取りました…その結果、伊佐山《いさやま》さんの娘さんが話されたことと輿石《こしいし》さんのご家族の方が話されたことが正解でした!!…と言うたのですよ!!…熊代さんが人の話を聞いていたらこんなことにはならなかったのですよ!!…熊代さん!!」
熊代さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「もうしわけございませんでした…人の話を聞かずによそ見していたことについてはあやまります。」
受話器のスピーカーから私の怒鳴り声が聞こえた。
「あやまって済むと思わないでください!!」
熊代さんは、私に対して声をかけた。
「それじゃあ、どうすればいいのですか?」
私は、受話器越しにいる熊代さんに対して怒った声で言うた。
「熊代さんは、私が説明した内容の中で納得行かないのはどの部分ですか!?」
受話器のスピーカーから熊代さんの声が聞こえた。
「私は…柱時計《とけい》が気になったのでつい…」
私は、受話器越しにいる熊代さんに対して声をかけた。
「『柱時計《とけい》が気になった』と言うのは理由にはなりません!!」
「それじゃあ、なんて言えばいいのですか?」
「私は、伊佐山《いさやま》さんの娘さんと輿石《こしいし》さんのご家族の方にお電話をおかけして確認を取りました…確認を取った結果、お二方が話された内容が正解であることが確定しました。」
「それは聞いたよ…だが私は…」
「それはよそ見した熊代さんが悪いのでしょ!!」
「よそ見をしたのは悪かったよ〜」
「くりかえして言いますが、伊佐山《いさやま》さんの娘さんが話されたことと輿石《こしいし》さんのご家族の方が話された内容が真実であることが確定しました…私はお二方のうちに電話をかけて確認を取りました!!」
「それは聞いたよ…私は、コリントさまが話された話の内容が知りたいのです。」
「それはさきほど熊代さんにお話しました!!それなのに熊代さんが『イヤ違う』『納得行かない』と言うたのでややこしくなったのですよ!!」
「話は聞いてましたよ…私は『イヤ違う』とか『納得行かない』とは言ってません…伊佐山《いさやま》さんの娘さんゃ輿石《こしいし》さんのご家族の方がウソをついた…とも言うてません…私は…不安になったからもう一度説明してくださいと頼んだのです…」
(ガチャン!!)
思い切りブチ切れた私は、電話をガチャンと切った。
……………………………
「コリントさま…もしもしコリントさま!!」
(ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)
受話器のスピーカーから電話が切れた音が聞こえた。
熊代さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけたが応答はなかった。
「コリントさま!!コリントさま!!」
………………………………
(ブロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…)
日付が変わって、11月25日の深夜3時過ぎであった。
ショルダーバックを持って再び旅に出た私は、県道伊予川内線から国道33号線を歩いて再び旅に出た。
この時間、私は砥部町の国道33号線を歩いていた。
車道に自動車がたくさん走っていた。
私は…
これから先…
どうすればいいのだ…
放浪《このたび》の終わりが見えなくなった…
お先真っ暗だ…
……………………………
またところ変わって、鹿屋市内《しない》にある安夫夫婦の家族たちが暮らしている家にて…
家の広間に安夫夫婦と熊代さんがいた。
文子は、広間に置かれているうぐいす色のプッシュホンを使って電話をかけていた。
文子は、しほこが中学・高校から大学にいた時に仲良しだった友人宅に電話をかけてしほこが来ていないかどうかをたずねていた。
「そうですか…分かりました…あの…しほこがそちらにお越しになられたら『うちに帰るように』と伝えていただけますか?…お願いします。」
(ガチャン…)
文子は、受話器を置いたあと大きく息をした。
安夫は、不安げな声で文子に言うた。
「どうだった?」
「■美ちゃんの家にもいなかった〜」
「困ったな〜」
この時であった。
(ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!ジリリリリリリン!!)
うぐいす色のプッシュホンからけたたましいベルが鳴り響いた。
熊代さんは、安夫夫婦に対して『私が出ましょうか?』と言うたあと受話器を取った。
「はい、徳田です…しほこさん!!今どこにいるのですか!?…ああ、失礼しました〜」
……………………………
またところ変わって、国鉄北伊予駅の入り口付近に設置されている電話ボックスにて…
私は、四角の黄色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。
「熊代さん!!熊代さんは今どちらにいらっしゃるのですか!?…逃げ隠れするのもよかかげんにしてください!!…今どちらにいらっしゃるのですか!?」
熊代さんは、困った表情で受話器越しにいる私に声をかけた。
「今、徳田さん方にいます…長女さんがまだ帰宅していないので…家族のみなさまが心配なされているのです。」
(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)
私は、コイン投入口に10円玉を50〜80枚入れながら受話器越しにいる熊代さんに対して怒鳴り声をあげた。
「そんなことよりも人の話を聞いてください!!熊代さんの奥さまはどちらへ行かれたのですか!?」
受話器のスピーカーから熊代さんの声が聞こえた。
「コリントさま…一体なにがあったのですか?」
「それはこっちが言うセリフだ!!…そんなことよりも私の話を聞いてください!!…きのう私が伊佐山《いさやま》さんの娘さんとお会いした時の件について、私はものすごく怒っているのですよ!!…熊代さんが『納得行かない』と言うたので私は伊佐山《いさやま》さんの娘さんに電話をおかけしました…輿石《こしいし》さん方にもお電話をおかけしました!!…その結果、伊佐山《いさやま》さんの娘さんが話された内容が正解であったことが確定しました…熊代さん!!よそ見しないでください!!」
熊代さんは、ものすごく困った表情で受話器越しにいる私に声をかけた。
「すみません…ちょっと…柱時計《とけい》をみていたのです。」
受話器のスピーカーから私の怒鳴り声が響いた。
「柱時計《とけい》をみていた!?」
「すみません。」
「とにかく人の話を聞いてください!!」
「すみません…あの…もう一度最初から説明していただけますか?」
私は、受話器越しにいる熊代さんに対してものすごく怒った声で言うた。
「熊代さん!!私が今どんな気持ちに置かれているのかと言うことを考えたことがありますか!?…私は、熊代さんが『納得できない』と言うたので伊佐山《いさやま》さんの娘さんと輿石《こしいし》さんのご家族の方に電話をかけて確認を取りました…その結果、伊佐山《いさやま》さんの娘さんが話されたことと輿石《こしいし》さんのご家族の方が話されたことが正解でした!!…と言うたのですよ!!…熊代さんが人の話を聞いていたらこんなことにはならなかったのですよ!!…熊代さん!!」
熊代さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけた。
「もうしわけございませんでした…人の話を聞かずによそ見していたことについてはあやまります。」
受話器のスピーカーから私の怒鳴り声が聞こえた。
「あやまって済むと思わないでください!!」
熊代さんは、私に対して声をかけた。
「それじゃあ、どうすればいいのですか?」
私は、受話器越しにいる熊代さんに対して怒った声で言うた。
「熊代さんは、私が説明した内容の中で納得行かないのはどの部分ですか!?」
受話器のスピーカーから熊代さんの声が聞こえた。
「私は…柱時計《とけい》が気になったのでつい…」
私は、受話器越しにいる熊代さんに対して声をかけた。
「『柱時計《とけい》が気になった』と言うのは理由にはなりません!!」
「それじゃあ、なんて言えばいいのですか?」
「私は、伊佐山《いさやま》さんの娘さんと輿石《こしいし》さんのご家族の方にお電話をおかけして確認を取りました…確認を取った結果、お二方が話された内容が正解であることが確定しました。」
「それは聞いたよ…だが私は…」
「それはよそ見した熊代さんが悪いのでしょ!!」
「よそ見をしたのは悪かったよ〜」
「くりかえして言いますが、伊佐山《いさやま》さんの娘さんが話されたことと輿石《こしいし》さんのご家族の方が話された内容が真実であることが確定しました…私はお二方のうちに電話をかけて確認を取りました!!」
「それは聞いたよ…私は、コリントさまが話された話の内容が知りたいのです。」
「それはさきほど熊代さんにお話しました!!それなのに熊代さんが『イヤ違う』『納得行かない』と言うたのでややこしくなったのですよ!!」
「話は聞いてましたよ…私は『イヤ違う』とか『納得行かない』とは言ってません…伊佐山《いさやま》さんの娘さんゃ輿石《こしいし》さんのご家族の方がウソをついた…とも言うてません…私は…不安になったからもう一度説明してくださいと頼んだのです…」
(ガチャン!!)
思い切りブチ切れた私は、電話をガチャンと切った。
……………………………
「コリントさま…もしもしコリントさま!!」
(ツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツーツー…)
受話器のスピーカーから電話が切れた音が聞こえた。
熊代さんは、受話器越しにいる私に対して声をかけたが応答はなかった。
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………………………………
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日付が変わって、11月25日の深夜3時過ぎであった。
ショルダーバックを持って再び旅に出た私は、県道伊予川内線から国道33号線を歩いて再び旅に出た。
この時間、私は砥部町の国道33号線を歩いていた。
車道に自動車がたくさん走っていた。
私は…
これから先…
どうすればいいのだ…
放浪《このたび》の終わりが見えなくなった…
お先真っ暗だ…
……………………………