大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【ぽつんとひとりきり】

日付は変わって、11月29日の深夜3時過ぎであった。

またところ変わって、鹿児島県吉松付近の国道268号線の歩道に設置されている電話ボックスにて…

私は、四角の水色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「もしもし、こんな真夜中にお電話をおかけしてもうしわけございません!!…松山市古川南の(老健施設)ですか!?…はい、コリントイワマツヨシタカグラマシーでございます!!…先週の水曜日はお世話になりました…伊佐山《いさやま》さんの娘さんがお越しになられていますね!!…大至急お願いします!!」

…………………………

またところ変わって、松山市古川南の老健施設にて…

伊佐山《いさやま》さんがいる部屋に男性医師たち8人と看護師さんたち10人がいた。

伊佐山《いさやま》さんが2時間ほど前に大量吐血をしたあとコンスイ状態におちいった。

伊佐山《いさやま》さんの娘さん夫婦は、部屋の外に設置されているいすに腰かけていた。

この時、女性職員さんが伊佐山《いさやま》さんの娘さんに声をかけた。

伊佐山《いさやま》さんの娘さんは、大急ぎで受付へ向かった。

…………………………

またところ変わって、吉松付近の国道268号線沿いの歩道に設置されている電話ボックスにて…

伊佐山《いさやま》さんの娘さんが電話に出たので話をした。

「もしもし、コリントイワマツヨシタカグラマシーでございます…先週の水曜日はお世話になりました…いえいえ…あの、お父さまのご容態はいかがですか?…2時間ほど前に大量吐血した!?…コンスイ状態におちいられた…お父さまはキトクになられたのですね…そうですか…こんな時にお電話をおかけしてもうしわけございません!!…実はですね…非常事態が発生したのです!!…昨夜7時前のことでありますが、えびの市の京町温泉街《おんせんがい》で旅館を経営していた宇城田《うきた》のおかみさんが突然シッソウしたのです!!…その上に旅館が営業休止になりました!!…はい、はい…それで、娘さんにひとつだけおたずねしたいことがございますがよろしいでしょうか!?…え~と…あの当時、マンシュウリで暮らしていた時の話ですが…宇城田《うきた》のおかみさん方と伊佐山《いさやま》さん方と熊代さんの奥さま方のご実家と輿石《こしいし》さん方のおうちのみなさま方…の周りのみなさま方で宇城田《うきた》のおかみさんと熊代さんの奥さまと仲がよかった方はいらっしゃいますか!?…それでは、輿石《こしいし》さんのお宅に電話をおかけして問い合わせましょうか!?…分かりました…はい、はい、はい…ああ、いえいえ…あの、お父さまの容態が回復することをお祈りいたします…ああ、ありがとうございます…はい、はい…それでは、状況が落ち着かれた時にまたお会いいたしましょう…お世話になりました。」

………………………………

それからまた2時間後であった。

またところ変わって、国鉄吉松駅の入り口付近に設置されている電話ボックスにて…

私は、四角の水色のコイン投入式のプッシュホンを使って電話をかけていた。

「おはようございます…朝の早い時間にお電話をおかけしてもうしわけございません…松山市恵原町にお住まいの輿石《こしいし》さんのお宅…はい、コリントイワマツヨシタカグラマシーです…先日はたびたびお電話をおかけしてもうしわけございませんでした…あの、ご主人さまはいらっしゃいますか!?…お願いします!!」

(チャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリンチャリン…)

私は、待っているあいだに投入口に10円玉をたくさん入れた。

それから1分後に輿石《こしいし》さんが電話に出られたので話をした。

「もしもし、コリントイワマツヨシタカグラマシーでございます…先日はひんぱんにお電話をおかけしてもうしわけございませんでした…はい…はい…朝の早い時間に急な知らせを入れてもうしわけございません…実はですね…九州のえびの市で旅館を経営なされていた宇城田《うきた》のおかみさんがシッソウしました…旅館も営業休止になりました…ゆうべ、旅館の前を通りかかった時に気が付きました…それでですね…輿石《こしいし》さんにひとつだけおたずねしたいことがございますがよろしいでしょうか?…お願いします…あの…マンシュウリで暮らしていた当時、宇城田《うきた》のおかみさんと熊代さんの奥さま…はいそうです…お二方と仲がよかった方はいらっしゃいますか!?…はい、ちょっとお待ちくださいませ!!」

私は、メモパッドの余白のページをひらいたあとゼブラシャーボーの右を回してシャープペンシルを出した。

「お待たせしました。」

その後、私はメモを取りながら電話の応対をした。

……………………………

さて、その頃であった。

またところ変わって、えびの市の京町温泉街《おんせんがい》にある宇城田《うきた》の旅館の前にて…

旅館の前に構成員《チンピラ》の男たち10人が集まっていた。

10人の構成員《チンピラ》たちは、怒鳴り声をあげていた。

「オドレ出てこい!!」
「金返せ!!」
「金返せオラ!!」
「金返せ!!」

この時であった。

旅館の前に熊代さんがやって来た。

見習いの構成員《チンピラ》が怒鳴り声をあげた。

「アニキ!!」
「なんだ!!」
「熊代のダンナが来ました。」

危険を感じた熊代さんは、その場から逃げ出した。

「待て!!」
「またんかいオラ!!」
「待て!!」

10人の構成員《チンピラ》たちは、一斉に熊代さんを追いかけ始めた。

事態はさらにややこしくなった。

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