大河ドラマ・乳房星(たらちねぼし)

【冬枯れのヴィオラ】

それからまた40分後であった。

またところ変わって、八百屋から歩いて100歩先にあるたばこ屋にて…

私は、カウンターに設置されている10円の赤電話機を使って電話をかけていた。

「もしもし、鹿屋市共栄町《しないきょうえいちょう》にお住まいの△宮さまのおたくでございますか?…お世話になります…コリントイワマツヨシタカグラマシーともうします…あの、熊代紀子さんが抱えている借金の問題を調査しているのです…興信所の人に頼まれた形でしているのです…あの…熊代紀子さんがある人から受けたおどしに屈した形で借金していた…と言うタレコミが私の耳に入りました…そのタレコミの発信元を探しているのです…はい…その発信元が分からないと先に進むことができないのです…△宮さまにおたずねしますが…△宮さまは私がおっしゃった例のタレコミについてはご存知でしょうか?…△宮さまが例のタレコミを聞いたと言うことで次へまいります…△宮さまに例のタレコミを言うた人はどなたですか?」

受話器越しにいる奥さまが私の呼びかけに対して違う話をしたので、イラついた声で言うた。

「△宮さま、その話をする前に熊代紀子さんをある人がおどしていたと言うタレコミの発信元がどなたかと言うことを教えてください!!…お願いします!!」

…………………………

この時であった。

衣服がボロボロになった姿のしほこがやって来た。

私の後ろに3人の人が並んでいた。

しほこは、後ろから3人目のスーツ姿の男性の後ろにいた。

私は、ものすごくイラついた声で言うた。

「△宮さま!!私は、タレコミの発信元がどなたですかと聞いているのですよ!!…トクメイキボウにしてくださいと言うのはどう言うことですか!?…ですから、『トクメイキボウ』にしてくださいと言うてもできないものはできません!!…△宮さま、私は発信元の人に電話をかけて確認しなければならないのですよ!!…人の話を聞いてください!!」

(コツン…)

この時であった。

私の後ろにいた作業服姿の男性がヘルメットで私を小突いた。

作業服姿の男性は『早くしろよ!!』と私に言うた。

私は、なさけない声で『あと2分待ってください〜』と作業服姿の男性に言うたあと電話の応対に戻った。

「もしもし△宮さま!!私の後ろに数人の方が並んでいます…すぐに答えてください!!熊代紀子さんがある人から受けたおどしに屈した形で借金していたと言うタレコミの発信元を言うてください!!これはだいじな話ですよ!!△宮さまが『トクメイキボウ』でお願いしますと言うてもお受けできないのですよ!!人の話を聞いてください!!…もうすぐ奥さまドラマが始まるから困っている…△宮さまは奥さまドラマと人の話を聞く…のどちらが大事ですか!?…奥さま!!そうこうしているうちに電話待ちの人が増えましたよ!!どうしてくれるのですか!?」

そうこうしているうちに電話待ちの列が増えていた。

私は、受話器越しにいる奥さまに対してタレコミの発信元をたずねた。

しかし、受話器越しにいる奥さまは『トクメイキボウにしてください』とお願いした…

…ので、先へ進めなくなった。

結局、熊代さんの奥さまがある人から受けたおどしに屈した形で借金をしていたのタレコミの発信元を聞くことはできなかった。

…………………………
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