色とりどりな君の花
「正直、ドキドキが止まんない。戸惑ってる」
…え?
そう言って照れた様子の圭佑は、私に向きあった。
「俺、咲希のことが好き。恋愛したいって思ってる。でも、咲希を傷つけたくはない。だから、無理にとは言わない」
また花火が打ち上がった。次から次へと、光の雨が私たちの街にが降り注ぐ。
「でも、できるなら…俺と付き合って欲しい」
その言葉と同時に、大きな枝垂れ花火が夜空を彩った。
それにしても、ちょ、直球だなぁ。こっちが恥ずかしくなる……
てか、私なんかで良いのかな?いや、うーん…私も好きだけど、付き合ってどうしよう。
…そんな私の考えが伝わってしまったらしい。
「俺には咲希しかいない。咲希じゃないとダメだ。手を繋ぐだけじゃ全然足りない」
「あのぉ。ってことは、キ、キスとかもしちゃったりしちゃう感じ?」
き、聞くのも恥ずかしいな。でも、これ以上の爆弾が降って来た。
「あぁ、もちろん。それ以上もな?」
う、うぅ……そんな意地悪そうな顔して言わないでくださいよ……。
心臓がもたない。…ドキドキされっぱなしなんだけど。なんか、悔しい!こうなったら私も……
「わ、私も圭佑のこと、好きだよ。咲希で良いのなら私と付き合ってください!」
勢いに任せて返事を返した。これが、精一杯だった。