色とりどりな君の花
と同時に、また花火が打ち上がった。今はもう、終わりかけだ。
もはや、花火は主役じゃなくなってきていた。
「ありがとう。俺、めちゃくちゃ嬉しい。咲希、大好き」
はぁぁ、もう、本当にずるい。シュチュエーションも完璧だし、何その笑顔。
圭佑が今まで見たことないくらいに輝いてる。…ずるいなぁ。
そう思いながら花火を見ていたら、不意に圭佑に肩を引き寄せられた。
「え、何?」という暇もなく、唇に柔らかいものが触れた。それが、キスだって気づいた途端、私は真っ赤になった。
……花火関係なく。
「咲希、その照れた顔可愛い」
「なっ!圭佑のバカ!!」
私が怒っても無駄だった。圭佑に「怒ってる顔も好きだよ」なんて返されたから。
もう、頭がごちゃごちゃだ……
私がされっぱなしは悔しいから、彼のほっぺに唇をつけた。これが限界。
「ななななな」
ナナナナ星人になってしまった圭佑は、もう、花火が終わってしまったのに顔が赤かった。
そんな私たちは、手を繋いだままで他の屋台をまわった。