初恋の糸は誰に繋がっていますか?
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朝の衝撃を受け仕事のミスを連発した上その処理で時間がかかっているところに、緊急で仕上げる仕事が降ってきて見事に会社を出たのは夜の十時過ぎだった。
「お腹減った」
昼以降、飲み物と軽くお菓子しか食べてないのでふらふらする。
机の足下にこっそり置いてあるお菓子の袋をもっと大きくしておくべきだろうか。
とりあえず家の最寄り駅を降りてすぐ近くにあるコンビニに入ると、適当におにぎりやパン、デザートを買い込んだ。
遅い時間だとおにぎりやパンの棚は閑散としていて、選ぼうにも選択肢が限られるのは難点だ。
袋の中には、いつも飲まない缶チューハイまで二缶も入っている。
こんな日に、やけにならないでどうするというのか。
最寄り駅から自宅まで徒歩十分ちょっと。
賑やかな駅前を過ぎ、裏に入ると静かな街だ。
時間も夜の十一時近いせいか外には人は誰もいない。
車がギリギリすれ違えるような幅の道を歩く。
街灯は他の道路よりも少なめだが、マンションの灯りなどでそこまで暗くはない。