初恋の糸は誰に繋がっていますか?

初めて好きになった彼への糸はずっと繋がっていて再度出会えると信じながらも、ニュースを見たときには永遠に途絶えたと思っていた。
だけれど絡んでいた糸は今はすぐ隣の人の小指に繋がっている。
あの頃はわからなかった糸の色は、きっと赤色だ。

宣誓を終え、私は少しだけ腰を落とすと彼がベールを上げる。

「愛しているよ、理世」
「私の方が好きな時間は長いですよ、達貴さん」
「俺は濃密な愛でその分を埋めようか」

彼の唇が私の唇と重なる。
これ以上無い幸せな時間に心が溶けそうだ。

「新婚旅行が楽しみだ」
「よく一ヶ月も休み取れましたよね」
「副社長の仕事もまずは一段落したんだ、妻を目一杯愛する時間を作って何が悪い」
「あの、ほどほどでお願いします」
「善処しよう」

拍手とそして賛美歌が包むようなこの教会で、私達はそんなことを話して笑う。
彼が手を差し出し、私はその大きな手を取る。
初恋の人、達貴さんと一緒に新しい世界へと私達は歩み出した。

END
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