湖に映る月
あきはニヤニヤしている。

「さあさあ、参りましょう。皇太子様の元へ。」

何も分からず、私はあきに連れられ、皇太子様の部屋へときた。


「皇太子様、参りました。」

「ああ、礼子か。」

名前を言われ、胸がドキッとした。

中へ入ると、白い着物をお召しになっていた。

少し着物が乱れて、胸が見える。


見てはいけない物だと、目を反らした。

「初心だな。礼子は。」

そう言うと皇太子様は、私の手を取り、抱き寄せてくれた。

ドキドキが止まらない。

「まさか私が知らぬ妃がいたとはな。」

胸がズキッとした。

知らぬ妃。

それでは、お渡りがないのも頷けた。


「更衣だったな。なぜ身分が低いのに、入内を?親戚か?」

「いえ。父上が、帝とお約束をしたのです。」
< 6 / 6 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
水上桃子は、結婚を考えていた恋人・渡辺隼太の浮気を疑い、敏腕弁護士・日向敬の元を訪れる。冷静沈着な敬は、わずか一週間で浮気の証拠を掴み出した。だが、そこで判明したのは、隼太の浮気相手が桃子の親友・稲田加絵だったという残酷な事実――。恋人と親友を同時に失った桃子は、裏切りに傷つきながらも気丈に振る舞おうとする。しかし敬だけは、そんな彼女の限界に気づいていた。 「あなたは悪くありません。傷つけられただけです」 静かで不器用な優しさに、桃子の凍った心は少しずつ溶かされていく。依頼人として距離を守ろうとする敬だったが、桃子を守りたい想いは次第に抑えきれなくなっていく。一方で、桃子を失った隼太は復縁を迫り始め――。 これは、人生最悪の裏切りから始まる、大人の溺愛ラブストーリー。傷ついた彼女を救ったのは、冷静な敏腕弁護士の、静かで激しい独占愛だった。
桜散る、その前に

総文字数/20,163

その他60ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
医者である和弥は、恋人・彩の家に婿養子として入ることを決めた。 それは愛の選択であると同時に、自らの過去から逃げるためでもあった。 新しい家、新しい名字、新しい人生。 だが、同じ病院で働く医師・司だけは、和弥の“何か”に気づいていた。 ある日交わされた何気ない会話。 それをきっかけに、和弥はぽつりぽつりと語り始める—— 誰にも話さなかった、自分の生い立ちを。 それは、桜が散るよりも前に終わってしまった、ある約束の記憶だった。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop