俺様副社長の溺愛注意報 〜秘書ときどき幼馴染のち妻〜
社長と共に外出された彼を見送ってから、私もそろそろ出勤されているであろう副社長の元へと向かう。
その前に給湯室へ寄り、スッキリとした酸味が特徴の副社長お気に入りのコーヒーをいれる。
普段は飲み物を所望される事はあまりないけれど、今日は朝から会議が立て続けに予定されている。そんな日は必ず、彼はこのコーヒーを飲みたがるのだ。
副社長室のドアをノックすると「はい」と落ち着いた低い声が聞こえ、挨拶をしながら彼の執務机にカップをおく。
「ふっ、さすが。ちょうどこれが飲みたかったんだ、サンキュー」とさっそくカップに口をつける彼を見ながら今日のスケジュールを読み上げ、私が話終えると「ふぅー」と大きく息を吐き出す。
「今朝の会議は時間がかかりそうだ。あのおっさん、いつも無駄に話が長いからな」
副社長はいつも凛とした姿勢で自分の意思をハッキリと示し、どんな相手であろうと臆せず意見する。向上心に溢れ、妥協を許さないどこまでも真っ直ぐな人だ。
それでいて相手への気遣いや思いやりも決して忘れない。人当たりもよく、社交的な立ち回りも完璧。
そして、少し冷たさを感じさせるほどクールな目元に長い睫毛、顔は小さく目鼻立ちはくっきりとしていて、180センチを超える長身。まるでアイドルのような容姿に、女性社員のファンは多い。
しかし...私と二人きりの時は少しだけ口が悪い。
実家が隣同士の為子どもの頃からの知り合いで、所謂幼馴染のような関係性があるからだろう。
決して外では見せないような表情で、幹部達への愚痴をこぼす。現に経営部長の事も"あのおっさん"呼ばわり...。
彼の高祖父が立ち上げた医療機器メーカーDメディックスは、代々堂上家が社長を引き継いできた。
しかしこの一族経営に不満を持つ者がいることも確かで、特に専務や常務辺りは古くからこの会社を支えてきた事もあり、現社長の長男である彼 堂上 翔(どうじょう かける)の副社長就任には難色を示していた。
彼がこの座について二年が経った今でも、揚げ足を取ってやろうと目論む者は存在する。
それでも彼は、そんな人たちを気にする様子もなく日々努力を重ね、予防・診断・治療の領域で幅広い事業を展開することを目標に日々突き進んでいる。
そもそも、彼は決して成り上がりではない。
地方の営業部から始まり、新しい営業体制を整え売り上げ向上に大きく貢献した事で本社異動となった。
そして、副社長に就任してからはAIやIoT技術を活用し生産能力を倍増するために新工場の建設に着手し、去年その功績が評価されてからは幹部達も何も言えなくなった様子。
そんな姿を傍で見てきた私は、もちろん彼を人として尊敬している。多少口が悪い事や時々こぼす愚痴など全く気にならないくらいに。
その前に給湯室へ寄り、スッキリとした酸味が特徴の副社長お気に入りのコーヒーをいれる。
普段は飲み物を所望される事はあまりないけれど、今日は朝から会議が立て続けに予定されている。そんな日は必ず、彼はこのコーヒーを飲みたがるのだ。
副社長室のドアをノックすると「はい」と落ち着いた低い声が聞こえ、挨拶をしながら彼の執務机にカップをおく。
「ふっ、さすが。ちょうどこれが飲みたかったんだ、サンキュー」とさっそくカップに口をつける彼を見ながら今日のスケジュールを読み上げ、私が話終えると「ふぅー」と大きく息を吐き出す。
「今朝の会議は時間がかかりそうだ。あのおっさん、いつも無駄に話が長いからな」
副社長はいつも凛とした姿勢で自分の意思をハッキリと示し、どんな相手であろうと臆せず意見する。向上心に溢れ、妥協を許さないどこまでも真っ直ぐな人だ。
それでいて相手への気遣いや思いやりも決して忘れない。人当たりもよく、社交的な立ち回りも完璧。
そして、少し冷たさを感じさせるほどクールな目元に長い睫毛、顔は小さく目鼻立ちはくっきりとしていて、180センチを超える長身。まるでアイドルのような容姿に、女性社員のファンは多い。
しかし...私と二人きりの時は少しだけ口が悪い。
実家が隣同士の為子どもの頃からの知り合いで、所謂幼馴染のような関係性があるからだろう。
決して外では見せないような表情で、幹部達への愚痴をこぼす。現に経営部長の事も"あのおっさん"呼ばわり...。
彼の高祖父が立ち上げた医療機器メーカーDメディックスは、代々堂上家が社長を引き継いできた。
しかしこの一族経営に不満を持つ者がいることも確かで、特に専務や常務辺りは古くからこの会社を支えてきた事もあり、現社長の長男である彼 堂上 翔(どうじょう かける)の副社長就任には難色を示していた。
彼がこの座について二年が経った今でも、揚げ足を取ってやろうと目論む者は存在する。
それでも彼は、そんな人たちを気にする様子もなく日々努力を重ね、予防・診断・治療の領域で幅広い事業を展開することを目標に日々突き進んでいる。
そもそも、彼は決して成り上がりではない。
地方の営業部から始まり、新しい営業体制を整え売り上げ向上に大きく貢献した事で本社異動となった。
そして、副社長に就任してからはAIやIoT技術を活用し生産能力を倍増するために新工場の建設に着手し、去年その功績が評価されてからは幹部達も何も言えなくなった様子。
そんな姿を傍で見てきた私は、もちろん彼を人として尊敬している。多少口が悪い事や時々こぼす愚痴など全く気にならないくらいに。