あの放課後、先生と初恋。




使われているのか不明な小さな駐車場の前、しばらくすると普通自動車がそばに停まった。



「なに急に~。迎えならもっと早くにメールしなさいよー」


「ごめん。ナオ、おいで」


「にーちゃっ!」



どこかで聞いたことのあるような声だ。

女性の声と、顔がにやけてしまいそうな可愛い声。


すると然くんにどこか似た雰囲気を持った女性は、わたしを見つけてあらあらと表情を和らげる。



「こんばんは~。もしかしてにいなちゃんでしょう?」


「あっ、そう…です。初めまして…」


「初めまして~!いつも然と仲良くしてもらってるみたいで!」



わたしはなぜか、また泣いてしまった。

お母さんの人当たりの良さと、然くんが小さな男の子を抱っこする姿がすごく温かくて。


「悩みに追いかけられまくるのが高校生だよね」と、そこでも然くんのお母さんはわたしの背中を撫でながらも優しい言葉をかけてくれる。



「…先輩、こいつは俺の弟のナオです」


「にーちゃ、おねーちゃないてる!」


「ほら、ナオ。ぎゅって」


「ぎゅーーっ」



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