あの放課後、先生と初恋。




「でも本当は、ああなって良かった」


「…え?」


「別れてホッとしたんだ俺。…どうせ付き合ったのも合コンで、酔った勢いの成り行きってだけだっただろ」



記憶もない朝に関係はできてしまっていたんだ。

周りから美人と評判だったし、俺の友達はみんな羨ましがってきた。


でも正直、俺は好きではなかった。



「俺は、恋に部活に一生懸命な子が好きだ」



これで終わりだ。

元恋人である女に意味深に送られる視線も、ひとりの女子生徒が追いかけてくれていた毎日も。



「じゃ、お疲れさまでした。牧野先生」



すこし前、教頭が俺に声をかけたきたことがあった。

卑しい男だとは知っていたし、秩序やルールを徹底している彼からすれば女子生徒に騒がれる俺は気にくわなかったのだろう。



『どうにも、とある吹奏楽部の女子生徒とずいぶん距離が近いようで』



そう言われて浮かんだ生徒は、皆木 にいなだった。

今までも似たようなことを言われてはきたが、ここまで特定されたのは初めてだ。



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