あの放課後、先生と初恋。
どうしてわたしはそこにいないんだろうと、拍手のなかで喜ぶ3年たちの気持ちがまったく分からなかった。
「皆木先輩」
「…名波くん」
「ステージからでも分かりましたよ、先輩の死んでる顔」
9月にある東海大会でも、わたしは同じ顔をしているんだろう。
そこで金賞を取ったらもっとだ。
メンバーの座を奪ってきた後輩におめでとうをしっかり伝えられた気になって、先輩として笑ったわたしに。
「これは先輩のためになると思って俺は言いますけど」
言われる前にはもう、崩れていたと思う。
「先輩が褒められたレベルは、“先輩にとって”ってだけなんですよ。“鈴高にとって”じゃない。そこがたぶん、勘違いして調子に乗ったとこだと思います」
吹けないと思ったことなんて、何回経験したことか。
こんなの吹けないよ、難しすぎる、でも吹きたい。
吹けるようになりたい、みんなと一緒に吹いてみたい───その気持ちがわたしの原動力みたいなものだった。
吹きたくない。
そう思う日が、やって来るだなんて。
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