キミの隣は特別席

「マナ!!」

えっ?

「優一!?」


はぁはぁと息を切らしている優一が目の前に立っている。

どうして優一が?あんなに怒った優一がなんで!?



「雛見!!マナに何した?」

優一は太陽の胸ぐらを掴んだ。

「そんなに慌てるなよ。何もしてねぇよ!」

太陽はなぁマナ?と問いかけてきた。

「そうなのか?」

「うん。何もされてないよ」

優一は安心したのか、太陽を放した。



「マナに諦めるって言いにきただけなのにさ!2人とも慌てて…」

そのあと太陽はしばらく笑っていた。


太陽があたしを諦めるって!?




「こっちに戻った時からマナと佐原に謝ろうと思ってたんだよ。
嫌な思いさせてごめんな…
マナに彼氏がいるのを知ってムカついた。」

太陽…

「まだマナのこと好きだけど、幸せを願える男になるよ。」

そう言って、部屋から出て行った。





「優一…」

「ごめん、ついカッとなってマナにひどいことを…」

頭を下げて謝ってくれた。

あたしこそきちんと優一に話しとけば…

「優一…あたしこそごめんね…」


頬に暖かいものが流れた


「泣くなよ、マナ…」

優しく抱きしめてくれた。

優一の胸の中はとても暖かくて、自然と涙が引いた…





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