「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「誰がなにを言ったかというのは伝えられないけど、そういう判断をしました。ただ飛島さんと大塚くんが、このまま同じ部署で働くというのは内村さんの心情を考えると放ってはおけないので、大塚くんに異動してもらいます」

「そう、なん……ですね……」

 私はお咎めなしで陽平だけが異動となると、内村さんの怒りが爆発しそうで怖い。また違った形で私を制裁しようとするんじゃないのかな……。

 そもそも陽平はなにを考えているのか。内村さんに全てを伝えているのなら、彼女が会社まで足を運ぶなんてことしなかったはず。たぶん、私に非があるように説明していそう……。

 陽平の自分勝手な振る舞いに嫌悪感でいっぱいになり、喉が詰まっているような感覚に陥った。

 優しくて思いやりがあって、仕事ができて、素敵な人だと思っていたのに。陽平との綺麗な思い出はもう靄がかかったように不鮮明で、日を追うごとにどんどん汚れていく。

 三十分ほどで退席となり、直属の上司である生活雑貨部の部長と共にフロアへ戻る。途中、人気がないところで部長がそっと口を開いた。

「人の噂も七十五日と言うけど、大塚くんの異動も不自然さはあるし、しばらくは落ち着かないと思う。出来る限りフォローはするから、頑張ろうな」

 部長とは私が店舗でアルバイトをしていた頃からの付き合いになる。私の性格をよくわかってくれていて、仕事に関する悩みも今まで何度も相談にのってもらった。
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