˚✧₊🫧恋は、空想の中。🫧₊✧˚(恋空)
そろそろ卓の時間がなくなってきた。
伝票を開いて彼が聞いてくる。

「最後にもう一本、行っちゃマズいー?」

もうお手本みたいな営業上手で、プロだなって感じる。

「うん、いいよー笑」

そのまま飲み直し(?)をしないかも誘われたんだけど、時間が遅くなりそうだったのでパス。
というか、お話ししてるときに飲み直しの説明を3回聞いたけど、マジで全然意味が伝わってこなかった。笑

初めてだらけの時間。意外と長く感じたなー。

「どう?初めてのホストクラブ。悪くないっしょ?」

うん。楽しかった。
いろいろ新鮮だったし。

正直よくわからないなって部分もあったけど、
私が初めてなのを気遣って、彼がずっと優しくしてくれたのが嬉しかったし、
また会いに来たいな、って気持ちにはなったかな。

「じゃあお会計、これだけになります」
「はーい」

普段飲みにいくときには、あまり使うことないかなって金額。
でも、天使みたいな彼と過ごせたし、いろいろと体験できたし、まあ十分満足かも。

「カードだと手数料が〇%かかりまーす」
そういうシステム(略)夜のお店って色々特殊なんだなあ。

でも、この時の私は、まだホスクラという世界を知らなかった。
水商売なんか全然触れたこともなかったし、
ホスクラ価格というものに、一切馴染みがなかった。

「次お店来るときには、いくらあればいい?笑」
「んー、次?好きなだけ持ってきてよ!笑」
「じゃあ、最低は?」
「最低ー?えーじゃあ……」

彼がこそっと耳打ちしてくれる。
…顔が赤くなった。

最低の金額として伝えられたのは、今日使った額よりも多い額。
うん………。まあ、それはそうだよね。

ついさっき、数本の追加で丁寧にされて、いい気になってたのが恥ずかしい…。

さっきの隣の席の女の子。高級シャンパンを入れてマイクしてた綺麗な子を思い出す。

そっか、普段来るお客様と比べたら、こんなもの売上にもならないような金額だよね。

私なんて有名人でもお金持ちでもないのに、こういう場所に来て勘違いしてる自分が場違いで恥ずかしくなった。
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