結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 蕩けきった私の体は、何の抵抗もなく彼を受け入れていた。
 お互いが高めあって限界を超えていく。
 私は求められたことが嬉しかった。全身を愛されて幸せだった。
 最奥への重たい衝撃が気持ちよすぎて壊れそう。
 好き。八木沢さんが好き。全部好き。他のことはどうでもいい。

 余裕をなくして、切なげに歪んだ八木沢さんの顔が色っぽい。
 避妊しているのはわかっていても、それでも子宮へと熱を流し込みたいかのようだ、と考えて、そこで思考は途切れてしまった。


 次に目を開いたときには、もう外が明るくなっていた。そのまま意識を失ったのか、と記憶を辿って、乱れまくって前後不覚になっていたことを思い出した。
 絶対、今日も仕事にならない。八木沢さんの言うとおり、平日は我慢して週末だけにしないと。

 私が身じろぎしたから、隣で眠っていた八木沢さんが動いた。
 目を閉じたまま私の体に腕を伸ばしてくる。
 体温が心地いいから、そのまま大人しく抱きしめられることにした。包まれていると幸せだ。


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