結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 彼が膝にキスをするから、顔を近づけて欲しくなくて身をよじった。でも、両足を掴まれて、左右に大きく開かされた。
 嘘、どうして? と混乱していると、下腹部に直接熱い舌が触れた。

「ああっ!」

 気持ちよすぎて叫んだのが恥ずかしくて、腕で口を塞いだ。こんなことされるの、初めてで恥ずかしい。腰が浮きそうになると押さえつけられて、何度も何度も舐められる。
 やめてほしくて首を横に振った。泣きたいくらい恥ずかしい。こんな快感があるの知らない。怖い。

「いや、いやです……こんなの、されたことない」
「……初めて?」

 初めてだと正直に告げたら、彼はしばらく黙考していた。これでやめてくれると思っていたのに。

「すみませんでした……じゃあ、もう少し優しくします」

 逃げようとしたら、内腿を手のひらで押さえて、もっと足を開かされた。決して強い力ではなかったのに動けなくなった。彼が優しく足のあちこちにキスをする。

「あ、あ……見ないで」
「綺麗です。もっと触れたいです。僕から逃げないで」

 なだめるようにそう言って、また舌で愛撫する。優しいはずなのにさっきよりも鮮烈な快感が突き抜けた。

「あっ、いや、だめ……!」
「怖がらないで気持ちよくなって」

 自分の体が熱くて、柔らかく動き回る舌も熱くて。何をされても気持ち良くて、絶え間ない悦楽にずっと下腹が痙攣している。
 意識が蕩けてどろどろになる。
 多分もう、心も体も逃げられない。


< 133 / 264 >

この作品をシェア

pagetop