結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「でも買うとしたら、もう時間がないでしょう?」
「一からドレスを作るなら全然時間ないけど、そうじゃないから! 時間がないから、レンタルだけじゃなくて販売品も視野に入れたらってことを言ってるの」

 義姉が「お母さんはフルオーダーしか頭にないから……」とぼやいていたが、義母の結婚式はいったいどんな感じだったんだろう。機会があったら教えてもらいたい。

 東梧さんの結婚が嬉しいようで、家族みんなが楽しみにしているのが伝わってくる。良かった……と安堵していたら、会話が途切れたときに、さっきの女の子がぽつんと質問した。

「ねえ、お父さんもお母さんもいなくて、結婚式に親戚が来ないって本当?」

 きっと彼女にとっては素朴な疑問だったのだろう。こうして集まれる親族がいるのだから、身寄りがないということ自体、想像がつかないだろうから。
 それは、以前も指摘されたことだった。真臣から「バランスが悪い」「新郎側が多いからいいけど、逆なら許されないよね」などと言われて嫌な思いをした。

「うん……そうだよ。誰もいないんだ。それでゲストの数にも偏りがあるの。ごめんなさい……」

 決して詰問されているわけではないのに、申し訳なくてうつむいた。


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