結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 応接間には大きなソファや豪華な椅子が数脚置いてあった。大きな窓から庭も見え、開放感もあってとても明るい。
 お義兄さん、お義姉さんご夫妻の四人が椅子やソファに座り、子供達は張り出し窓の縁や、絨毯の上に座って待っていたようだ。
 上は十七歳から下は七歳までの七人の子供達。さっきフライングしていたのは、一番下の姪っ子ちゃんで、兄弟や従兄弟たちと遊んでいるうちに本来の目的を忘れたのだろう。

 東梧さんが私の紹介をして、出会いが駅だったと聞くと、義兄が「東梧からご飯に誘ったのか!? ナンパじゃん!」と驚いていた。義姉も「こんな若いお嬢さんに……勇気出したねえ。通報されなくてよかったわ」などと言って笑っていた。容赦ない。

 子供達にとって関心があるのは私自身ではなく結婚式のようで、次第に式についての話題が中心になっていった。
 義姉は「東梧は口出しそうだから言っておくけど、ドレスは和咲さん本人が気に入ったやつを選ぶべき」と力説していた。

「式まで時間ないから、レンタルだと選べるドレスがあんまりないんじゃない?」
「一度見に行ったんですが、気に入ったものは予約でいっぱいだったので、他のお店にも試着に行く予定です」
「もう買っちゃえば?」

 義姉がそう言うと、ずっとニコニコと話を聞いていた義母が口を挟んだ。


< 246 / 264 >

この作品をシェア

pagetop