結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「……おかあさん、ありがとうございます」
 
 自分のせいで少し沈んだ空気になったことを察したのか、姪が私の座るソファの近くまで来て、ぺこりと頭を下げた。

「悲しい気持ちにさせてごめんなさい」
「なんともないから、大丈夫よ!」

 この子は悪くない。だから安心させたくて、笑って答えたが、彼女はまだ不安そうな顔をして私を見つめていた。

「でも、泣いてる。目がうるうるしてる。私のせいでしょ?」
「これは嬉しいからだよ」
「嬉しいの?」
「家族が増えて、とっても嬉しい」
「よかった! 私も嬉しい!」

 勝手に申し訳ない気持ちになっていたけれど、ここにはそれを責める人なんかいなかった。
 優しい家族が増えたのは、東梧さんのおかげだなと思って、隣にいる彼に小さな声で「ありがとう」とお礼を言った。
 彼が、「こちらこそ、ありがとう」と言って、私の肩を抱き寄せて額に口づけをしたから、一部始終を見ていた姪っ子ちゃんが真っ赤になっていた。多分、私も同じ表情だと思う。



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