結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 鎌倉へ行った翌週末。
 朝からたくさんのドレスを試着して、私はへとへとになっていた。着付けをしてくれる店員さんのほうが大変だろうから、弱音は吐けないと頑張ったが、カラードレスがなかなか決まらず、三時間が経過した頃には、つい「疲れた」と呟いてしまった。

 結局、カラードレスは保留。以前よりも時間の融通がきく私が、平日の夕方に一人で試着に来ることになった。

「長いトレーンに憧れていたので、ウェディングドレスが決まってよかったです」
「チャペルもそうですが、披露宴会場も広いので、とても映えると思いますよ。楽しみです」

 私は疲れ果てていたけれど、着替えるたびに写真を撮りまくっていた東梧さんはとても嬉しそうだった。貴重な休日を費やして、こうして準備も楽しんでくれて、とてもありがたいなと思う。
 結婚式まであと約二か月。
 やることも増えていたが、「時間がなければお金をかける」と割り切っていたので負担は少ない。

 遅いランチのあとは、店舗に出向いて指輪を受け取った。お互いのイニシャルが刻印されているのを確認して、「ああ、結婚式をするんだな」と実感がわいた。


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