ホテル王と一夜の過ち 社内恋愛禁止なのに、御曹司の溺愛が止まりません
「ああ。これからは、誰に文句を言われようとも。オーナー就任まで、俺はこの支店で総支配人として勤務し続ける」
「恋愛禁止の就業規則、どうするつもりなんすか?」
「改定済みだ」

 慎也さんは就業規則の書かれたファイルを取り出すと、書き換えられた場所を指でさし示す。

『社内恋愛は禁止とする。ただし、夫婦が同一支店に勤務している場合のみ、就業規則違反には当たらないとする』

 日付は私達が籍を入れる前日になっている。

 これぞ正しく、職権乱用と言う奴だ。

 さすがは御曹司。
 自分の利になることであれば、堂々と就業規則すらも捻じ曲げて見せるのね……。

 それをやりすぎだと異を唱えるか、私の為にありがとうと喜ぶかは意見が別れる所だろう。

「俺達三人で、再び山田様を出迎えなくてはならないからな」
「山田様と言えばさぁ! 総支配人と香帆が結婚したって聞いたら、すげー驚くんじゃねぇの!?」
「山田様なら、祝福してくださるはずよ」
「そうだな」

 また来年も三人一緒に、ホテル・アリアドネで出迎えてほしいと願い出てくださった山田様を思い浮かべた私達は、ひとしきり笑い合ったあとそれぞれの持ち場につく。

 来年のことを考えると、鬼が笑うと言うけれど。

 私達はこれからも、愛する人達とともにこのホテル・アリアドネで働き続ける。

「――香帆」

 彼に名前を呼ばれた私は、幸せな気持ちで満たされながら。
 満面の笑みを浮かべて、お客様を出迎えた。

「ようこそ。ホテル・アリアドネへ!」
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